群像2012年2月号

短期集中連載第1回100枚!

阿部和重「クエーサーと13番目の柱」

謎のパパラッチチームがターゲットを追う。彼らの目的は……? 『ピストルズ』の完結から2年、阿部和重の新たな挑戦を告げる衝撃作!


長篇一挙掲載300枚!

三木 卓「K」

出会いから47年、ぼくをふりまわし続けた妻“K”が死んだ。芥川賞、谷崎潤一郎賞、読売文学賞など数々の文学賞を受賞した三木 卓が描く、哀しく風変わりな夫婦の物語。


新・連作小説スタート

黒井千次「芝生の子供」

安楽椅子に収まった親父さんの視線を追ううち、息子は芝生の上に幼き頃を思い出す――。

黒井千次の連作小説「流砂」がついにスタート!


気鋭の中篇100枚

円城 塔「松ノ枝の記」

届かない原稿、姿を見せない作家に導かれ、わたしは南半球の島に降り立った。「道化師の蝶」が第146回芥川賞の候補になるなど、小説への挑戦を続ける円城 塔の最新作です!


“アムール”を論じる新連載!

野崎 歓「フランス文学と愛」

「アムール amour」はなぜかくも世界を魅了するのか。「太陽王ルイ14世の世紀」から文学を愛の名のもとに辿り直す、野崎 歓の新連載が始まります!


もくじ

〈短期集中連載〉 

クエーサーと13番目の柱〔1〕  阿部和重

〈創作〉

K  三木 卓

松ノ枝の記  円城 塔

〈新・連作小説〉

芝生の子供  黒井千次

〈新連載評論〉

フランス文学と愛〔1〕  野崎 歓

〈対談〉ドゥ マゴ文学賞受賞記念

「出張小説」と夢の技法  辻原 登×磯崎憲一郎  

〈連作評論〉スリリングな女たち 

金原ひとみの「私」曼荼羅  田中弥生

〈連載小説〉

晩年様式集(イン・レイト・スタイル)〔2〕  大江健三郎

夜は終わらない〔6〕  星野智幸

燃える家〔16〕  田中慎弥

日本文学盛衰史 戦後文学篇〔20〕  高橋源一郎

昼田とハッコウ〔24〕  山崎ナオコーラ

未明の闘争〔28〕  保坂和志

〈連載評論〉

〈世界史〉の哲学〔35〕  大澤真幸

〈連載〉

現代短歌ノート〔23〕  穂村 弘

「生」の日ばかり〔35〕  秋山 駿

映画時評〔38〕  蓮實重彦

〈随筆〉

“ALL IN TWILIGHT” 朝吹真理子

ヨハネスとアントニ  福岡伸一

父に似たひと  石井睦美

川のほとりの町  鬼海弘雄

「受苦」という言葉から  富岡幸一郎

〈私のベスト3〉

わたしが聞いた車内アナウンス  川崎 徹

世界のジョギングコース  斎藤 環

芥川と龍之介、牛乳風呂に入る  澤西祐典

〈書評〉

明後日の詩想(『領土』諏訪哲史)  巽 孝之

まごついている読者/わたしへ(『一一一一一』福永 信)  豊崎由美

不思議な時間の吹きだまり(『木挽町月光夜咄』吉田篤弘)  東 直子

「人」という絶望と希望(『部屋』エマ・ドナヒュー 土屋京子訳)  村田沙耶香

〈創作合評〉

中条省平+苅部 直+青山七恵

「燃焼のための習作」堀江敏幸(群像2012年1月号)

「迷宮」中村文則(新潮2012年1月号)