松浦寿輝が昭和を幻視する短篇

「ROMS」

平岡は「悔悛した老人たちのクラブ」へ足を運んだ。隅田川のほとりで幻視する昭和の光景とは――。松浦寿輝による短篇連作、待望の最新作「ROMS」が登場です。


『苦海浄土』に先立つ初期作品発掘!

石牟礼道子「石飛山祭」

人間の尊厳を描き、今もなお読み継がれている『苦海浄土』に先立つ、石牟礼道子の初期作品「石飛山祭」をお届けいたします。雨乞いの行列がうねる村で、二人の娘が籤を引いた……妖しき言葉の世界をご堪能下さい。


都市伝説に秘められた真実を描く

高原英理「記憶の暮方」

自分の故郷に伝わる「影鬼」の都市伝説から浮かび上がる、記憶の底に隠されていた忌まわしい秘密とは。高原英理の力作中篇「記憶の暮方」230枚を一挙掲載!


新鋭による鮮やかな中篇

原田ひ香「人生オークション」

傷害事件を起こした叔母と、就職が決まらずアルバイトをする私。厄介者の二人が「気持ちの良いお取引」で売るのは、お荷物な過去だった。新鋭原田ひ香が人間模様を鮮やかに描いた中篇です。


日米を代表する翻訳者の対話

柴田元幸×マイケル・エメリック

ピンチョンの『メイスン&ディクスン』の翻訳が話題の柴田元幸と、『真鶴』や『親指Pの修業時代』など数々の日本文学の翻訳を手がけたマイケル・エメリックの対談が実現しました。翻訳者は透明な存在であるべきなのか? 翻訳で言語から解放されるとは? 日米を代表する翻訳者の対話をぜひお読み下さい。



〈創作〉

ROMS  松浦寿輝

石飛山祭  石牟礼道子

記憶の暮方  高原英理

人生オークション  原田ひ香

〈対談〉

翻訳は言語からの解放 柴田元幸×マイケル・エメリック

〈連載小説〉

雲をつかむ話〔3〕  多和田葉子

燃える家〔5〕  田中慎弥

昼田とハッコウ〔13〕  山崎ナオコーラ

日本文学盛衰史 戦後文学篇〔15〕  高橋源一郎

未明の闘争〔17〕  保坂和志

〈連載評論〉

安部公房を読む〔3〕  苅部 直

孤独の発明〔15〕  三浦雅士

村上春樹の短編を英語で読む〔19〕  加藤典洋

〈世界史〉の哲学〔25〕  大澤真幸

東と西――横光利一の旅愁〔32〕  関川夏央

〈連載〉

会社員小説をめぐって〔9〕  伊井直行

現代短歌ノート〔12〕  穂村 弘

「生」の日ばかり〔24〕  秋山 駿

映画時評〔27〕  蓮實重彦

〈随筆〉

からだがだんだん遠くなる  稲葉真弓

映画を集める情熱   山根貞男

信仰とヨーグルト   斎藤 環

永遠の手ざわり  永岡杜人

こだまの寂寞  三崎亜記

〈私のベスト3〉

私のごちそう  長野まゆみ

僕の好きな工芸作家  白岩 玄

武闘派やくざベスト3  溝口 敦

〈書評〉

「かたち」以上の何か(『かたちだけの愛』平野啓一郎)  陣野俊史

習慣と人生(『祝福』長嶋 有)  青木純一

一億二千万分のワタクシ(『「ワタクシハ」』羽田圭介)  藤代 泉

私を救ってくれるもの(『アンダスタンド・メイビー』島本理生)  鹿島田真希

見える瞬間(『CORONA』石川直樹)  角田光代

〈創作合評〉

藤野千夜+佐々木 敦+阿部公彦

「あめりかむら」石田 千(新潮2011年2月号)

「距離、必需品」岡田利規(群像2011年2月号)

「私のいない高校」青木淳悟(群像2011年2月号)