危機を迎えたとき人は何を問われるのか

伊坂幸太郎「PK」

あるサッカーの国際試合で、決勝点となるPKはなぜ決まったのか? サッカー日本代表になった幼なじみ二人、妻と息子と暮らす作家、異例の早さで大臣となった政治家……。人には勇気を問われる一瞬がある。今、最も注目されている作家の一人である伊坂幸太郎の作品が、ついに「群像」に登場!


創作は松浦寿輝、加藤幸子、荻世いをら

松浦寿輝の短篇連作がついに完結! 東京の本宅で平岡の頭部が、西伊豆の塔の上で首なし死体が発見された。この「不可能」な殺人は如何にして成し遂げられたのか!?
加藤幸子の珠玉の短篇「ライスカレー少女」。パフスリーブの袖の形も、ギャザーたっぷりのスカートも嫌いだけど、二十日鼠はわたしの体を冒険する。「彼女」のいない部屋で、ライスカレーを作る14歳の少女の静かな時間。
荻世いをら最新作は「猫の女の子」。「僕」が友人Mから聞いたのは、猫と一緒に消えた女の子の謎。数年後に再び姿を現した彼女が、Mに告げた驚くべき話とは――。


第5回

大江健三郎賞発表

2010年に刊行された「文学の言葉」を用いた作品の中から、大江健三郎は果たしてどの作品を選んだのか!? 結果はこちらです。


『ドストエフスキー』の出発点が分かる!

富岡幸一郎×山城むつみ

七年かけて完結し、各紙誌で熱烈な反応を引き起こしている山城むつみの大著『ドストエフスキー』。本書を貫くキーワード「ラズノグラーシエ」、バフチンの読み直し、ドストエフスキーの聖書体験、最初の妻マリヤの死など、これまでのドストエフスキー論を転回する、富岡幸一郎との白熱の議論をお楽しみ下さい。



〈創作〉

PK  伊坂幸太郎

不可能  松浦寿輝

ライスカレー少女  加藤幸子

猫の女の子  荻世いをら

〈第5回大江健三郎賞受賞作発表〉

小説的思考力のモデル  大江健三郎

〈対談〉

『ドストエフスキー』の出発点  富岡幸一郎×山城むつみ

〈東日本大震災 特別寄稿〉

海のかなたより訪れしもの、汝の名は  赤坂憲雄

東日本大震災  高橋克彦

〈評論〉

ヘールシャム・モナムール――カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』を暗がりで読む  加藤典洋

〈連載小説〉

雲をつかむ話〔5〕  多和田葉子

燃える家〔7〕  田中慎弥

昼田とハッコウ〔15〕  山崎ナオコーラ

日本文学盛衰史 戦後文学篇〔17〕  高橋源一郎

未明の闘争〔19〕  保坂和志

〈連載評論〉

東と西――横光利一の旅愁 最終回  関川夏央

安部公房を読む〔5〕  苅部 直

孤独の発明〔17〕  三浦雅士

〈世界史〉の哲学〔27〕  大澤真幸

〈連載〉

会社員小説をめぐって〔11〕  伊井直行

現代短歌ノート〔14〕  穂村 弘

「生」の日ばかり〔26〕  秋山 駿

映画時評〔29〕  蓮實重彦

〈随筆〉

アポロン忌  中沢けい

老婆の災難  松家仁之

標本と遺骨  藤原智美

花の便りが届くたび  内澤旬子

〈私のベスト3〉

好きな女性の仕草  道尾秀介

東京暮らしでよく乗る自転車  羽田圭介

美味なる食事  千早 茜

〈書評〉

アジアとの交歓、十の世界(『トモスイ』高樹のぶ子)  蜂飼 耳

存在の家としての物語(『人質の朗読会』小川洋子)  永岡杜人

理想郷の「愛」という矛盾(『ポリティコン』桐野夏生)  青山七恵

地球の裏側への細長い入口(『ラテンアメリカ十大小説』木村榮一)  福永 信

愛のようなもの(『愛についての感じ』海猫沢めろん)  生田紗代

〈創作合評〉

島田雅彦+安藤礼二+田中弥生

「本屋大将」木下古栗(群像2011年4月号)

「アマリリスの家」朝比奈あすか(すばる2011年4月号)

「ボブ・ディラン・グレーテスト・ヒット第三集」宮沢章夫(新潮2011年4月号