群像2010年7月号

大江賞記念対談大江健三郎×中村文則

大江健三郎が第4回大江賞受賞者の中村文則だけに語る創作の秘密とは!? 受賞作『掏摸(スリ)』を手がかりに、フランス語で「レシ」と呼ばれる小説形式や、「子ども」というテーマについて語り合う濃密な対談です。


ドストエフスキー特集 名作「やさしい女」が新訳で甦る!

近年、新たな読者層を広げている ドストエフスキー。幻の名作小説「やさしい女」が、井桁貞義による瑞々しい新訳で甦りました! そして、 山城むつみの力作評論「カラマーゾフのこどもたち」。足掛け7年に及ぶ「ドストエフスキー論」がついに完結です!


熟練の筆致が光る古井由吉の連作短篇が登場!


新連載伊井直行「会社員小説をめぐって」!

伊井直行の連載が満を持して「群像」に登場です! 自身の会社員経験を丹念に振り返りながら、会社とは何か? 会社員とは何か? という謎を追究。エッセイでもあり小説論でもある、画期的新連載です!


村上春樹特集 なぜハルキムラカミは世界中で読まれるのか!?

『1Q84 BOOK3』が発売され、世界中から注目が集まる村上春樹ジェイ・ルービンが英訳者ならではの『1Q84』論を、日本文学者・小森陽一を相手に展開! 村上春樹から夏目漱石、世阿弥まで縦横無尽に語ります。編集者エルマー・ルークが語る、ハルキムラカミの世界デビューの真実も必読!


もくじ

〈創作〉

明後日になれば  古井由吉

竹林まで  松浦寿輝

〈連作小説 シリーズ「願い」最終回〉お願い玉  藤野千夜

〈新連載〉

会社員小説をめぐって〔1〕  伊井直行

〈対談〉

第四回大江健三郎賞記念対談
スリの「物語(レシ)」のなかの現代  大江健三郎×中村文則

〈特集〉

ドストエフスキー

〈新訳〉やさしい女  ドストエフスキー 井桁貞義訳

〈評論〉カラマーゾフのこどもたち  山城むつみ

〈特集〉

村上春樹、世界文学への軌跡

〈対談〉『1Q84』と漱石をつなぐもの  ジェイ・ルービン×小森陽一

〈講演〉羊を追って――村上春樹のブレイクスルー   エルマー・ルーク

〈鼎談〉

世界文学を旅する

柴田元幸×沼野充義×野崎 歓

〈連載〉

昼田とハッコウ〔5〕  山崎ナオコーラ

わたしの彼氏〔7〕  青山七恵

裂〔8〕  花村萬月

未明の闘争〔9〕  保坂和志

末裔〔11〕  絲山秋子

地上生活者 第四部〔23〕  李恢成

〈連載評論〉

孤独の発明〔7〕  三浦雅士

村上春樹の短編を英語で読む〔11〕  加藤典洋

〈世界史〉の哲学〔17〕  大澤真幸

東と西――横光利一の旅愁〔24〕  関川夏央

〈連載〉

現代短歌ノート〔4〕  穂村 弘

「生」の日ばかり〔16〕  秋山 駿

映画時評〔19〕  蓮實重彦

〈随筆〉

鉄とラグビーの街  上岡伸雄

さかもとのこと  山下澄人

失われたパンを求めて  辛島デイヴィッド

閉じ困って  荻世いをら

〈私のベスト3〉

脚妄想  安達千夏

失われた時を求める道具  永岡杜人

姉ベスト3  柴 幸男

〈書評〉

引き継がれる夢想(『闇の奥』辻原 登)  三輪太郎

世界と言葉の発生(『「悪」と戦う』高橋源一郎)  安藤礼二

青く燃える(『あられもない祈り』島本理生)  加藤千恵

〈創作合評〉

川村 湊+野崎 歓+村田沙耶香

「予言残像」牧田真有子(群像2010年6月号)

「乙女の密告」赤染晶子(新潮2010年6月号)

「来福の家」温又柔(すばる2010年6月号)