新連載 時空を超えた旅へ――

髙樹のぶ子「オライオン飛行」

化粧っ気のなさと小柄な体格から、とても26歳には見えないあやめは、戦前、看護婦長をつとめていたという大伯母に憧れを抱いている。ある日、いまや誰も住まない実家から、若き日の大伯母の思い出の品と見られる懐中時計を持ち出した彼女は……。髙樹のぶ子「オライオン飛行」、時空を超えた旅の物語が始まります。


俊才の野心ほとばしる中篇

青木淳悟「匿名芸術家」

小説と絵画、それぞれの夢を追いかける女と男。その創作への思いは、19世紀・印象派の画家たちと重なって――。私たちが学ぶように、彼らもまた大いに学んだ。「匿名芸術家」、鬼才・青木淳悟が創作の夢と欲を描きます。


翻訳短篇 岸本佐知子訳

マリー=ヘレン・ベルティーノ「ノース・オブ」

その年の感謝祭、わたしは実家にボブ・ディランを連れて帰る――。軍隊に入ろうとする兄と、ニューヨークに出た妹。きょうだいの関係はいつだって複雑だ。フィラデルフィア出身の新進作家マリー=ヘレン・ベルティーノ「ノース・オブ」を、岸本佐知子訳でお楽しみください。


対談 瀬戸内寂聴×平野啓一郎、原 武史×安藤礼二、柴崎友香×片岡義男×佐々木 敦

生きるとは、死ぬとは。日本中に感動を巻き起こしている瀬戸内寂聴『死に支度』。家族について、作家について、そして死生観について、平野啓一郎とじっくり語り合いました。対談・瀬戸内寂聴×平野啓一郎「『死に支度』を終えて」

話せば話すほど明らかになる、『皇后考』『折口信夫』の共通点とは!?  原武史安藤礼二が、宗教、時代、様々な観点からお互いの著作を読み解きます。

 片岡義男の手にかかれば、小説という摩訶不思議なしろものの謎まで解けてしまう!?  ヘンテコな謎に満ち溢れた快作『パノララ』を刊行したばかりの柴崎友香が、佐々木敦司会のもと、片岡義男と自作を語る鼎談、「『パノララ』、そして小説の謎」。必読です!


連作 古井由吉(最終回)、川上弘美、島本理生

昏さを増す外を眺めながら、男は列車の中で来し方を思う。すっかり昼が短くなったーー。「冬至まで」古井由吉の連作がついに完結です。

15の8。それが、あたしの名前です――。閉ざされた村で暮らす少女には、かつて人間があふれるほど存在していたことがピンとこない。同じように、人を憎むという感情もなんだかよくわからなくて……。川上弘美の連作、第7回は「みずうみ」です。

女は弱い。神様にどんなに祈っても――。めぐまれた容姿と若さをいかし、愛人業で生活する結衣。彼女をある行動へと駆り立てた言葉、それは……。島本理生の連作第2回、「サテライトの女たち」


〈新連載〉

オライオン飛行  髙樹のぶ子

〈中篇120枚〉

匿名芸術家  青木淳悟

〈翻訳短篇〉

ノース・オブ  マリー=ヘレン・ベルティーノ 岸本佐知子・

〈連作短篇〉

冬至まで(完結)  古井由吉

みずうみ  川上弘美

サテライトの女たち  島本理生

〈対談〉

『死に支度』を終えて  瀬戸内寂聴×平野啓一郎

皇后考×折口信夫  原 武史×安藤礼二

『パノララ』、そして小説の謎  柴崎友香×片岡義男  聞き手・佐々木 敦

〈連載小説〉

琥珀のまたたき〔3〕  小川洋子

我々の恋愛〔4〕  いとうせいこう

尻尾と心臓〔8〕  伊井直行

虚人の星〔9〕  島田雅彦

ビビビ・ビ・バップ〔15〕  奥泉 光

〈連載評論〉

チェーホフとロシアの世紀末〔11〕  沼野充義

鬼子の歌 近現代日本音楽名作手帖〔14〕  片山杜秀 

〈世界史〉の哲学〔70〕  大澤真幸

〈連載〉

現代短歌ノート〔60〕  穂村 弘

〈随筆〉

明日、何をやった?  藤沢 周

三五年間不眠症!?  椎名 誠

ハゲでいい。ハゲがいい!  福本容子

「眼を引き延ばす」と内視鏡に  小佐野重利

〈私のベスト3〉

寡作だが駄作なしの漫画家  瀬木比呂志

温度を持つ言葉たち  三角みづ紀

ジャスタジスイ紀  DJみそしるとMCごはん

〈書評〉

「日本」の本質を「皇后」から読み解く(『皇后考』原 武史)関川夏央

「厄介な」愛のねじれ方(『賢者の愛』山田詠美)清水良典

不成功哲学のススメ(『暗黒寓話集』島田雅彦)坂口 周

世界を「肯定」する言葉をめぐって(『教団X』中村文則)浜崎洋介

「私」という根(リゾーム)の神の変幻(『猫キャンパス荒神』笙野頼子)伊藤氏貴

〈創作合評〉

山城むつみ+長嶋 有+松田青子

「火花」又吉直樹(文學界2015年2月号)

「鳥の会議」山下澄人(文藝2015年春号)

「付喪神」町田 康(群像2015年2月号)