第59回群像新人評論賞には214篇の応募があり、

大澤真幸、熊野純彦、鷲田清一の3氏による選考の結果、

下記のように決定いたしました。

受賞作と受賞の言葉、選評は群像2015年11月号をお読み下さい。

【優秀作】
「反偶然の共生空間――愛と正義のジョン・ロールズ」
荒木優太(あらき・ゆうた)

 1987年2月東京都生まれ。

 明治大学文学部文学科日本文学専攻博士前期課程修了(専門は有島武郎)。

 東京都在住。

荒木優太   受賞のことば

 

 拙作が伝統ある雑誌に掲載されるとのことで、光栄の至りとは正にこのこと、まことにありがたく存じます。

 また聞くところによれば、驚くべきことに、お金も少しばかり頂けるそうで、望外の喜びでございます。

 若輩者の稚拙な書き物などに貴重なお時間を割かせてしまった関係者の皆様方には、感謝の念とともに深くお詫び申し上げ、今後はいっそうの自覚と責任をもった行動に努める所存でございます。


【優秀作】
「ケセルの想像力」
高原 到(たかはら・いたる)

 1968年4月千葉県生まれ。

 京都大学文学部社会学科卒業。

 予備校講師。

 京都市北区在住。

高原 到   受賞のことば

 

 破瓜があったわけではない。

「読む」と「書く」との間に粘りつく皮膜に、うかうか絡めとられてしまったのだ。

 とんでもない誤りを書きつけているのではないか。

 疑いはつねにあった。

 ただ、不器用な文字を刻むうち、謎でしかなかった『ソドムの市』が、細い触手をのばしてくる感覚があった。

 書けるかもしれないと思ったのはそのときだ。

 いや、書かなければならぬ。

 規模は小さいながら、それはやはり、狂奔だった。