群像2018年7月号

歳時創作シリーズ 伍 季・憶 Ki-Oku

西村賢太「乃東枯」 重松 清「鷹乃学習」 町田 康「大雨時行」

夜は短く、やがて梅雨明けへ。暑気まとわりつき、遙か高く雲立ちのぼる。作家の想像力で繫ぐひととせ――二十四節気七十二候――の季節の記憶。一年をとおした読み切り掌篇大特集。歳時創作シリーズ「季・憶 Ki-Oku」。第5弾は西村賢太「乃東枯(なつかれくさかるる)」、 重松 清「鷹乃学習(たかすなわちがくしゅうす)」、 町田 康「大雨時行(たいうときどきふる)」


特別対談

穂村 弘×川上未映子「名前のない世界への扉を探して」

十七年ぶりの新歌集『水中翼船炎上中』を刊行した穂村氏と『ウィステリアと三人の女たち』が話題の川上氏。表現者として互いを敬する二人が、創作の核心に迫る。穂村 弘×川上未映子の特別対談「名前のない世界への扉を探して」  


ロングインタビュー

多和田葉子「もしも言葉が一枚の巨大な網ならば」

聞き手 小澤英実

言葉の衝突が生む危機感に身を置くとき、新たな発想が生まれる。本誌連載の新刊『地球にちりばめられて』をめぐり、言語の多様性を探究する。多和田葉子のロングインタビュー「もしも言葉が一枚の巨大な網ならば」(聞き手 小澤英実)


短篇 佐藤洋二郎「光」

二年前に亡くなった犬の最期を思い出していた。その追憶のさなか、妻から連絡が入った。「笹田さんがお亡くなりになりました。ご自分で」。佐藤洋二郎の短篇小説「光」


評論 宇野邦一

死後三十四年を経てようやく出版されたフーコー「性の歴史」最終巻『肉の告白』。思想家は最後に何を書き残したのか。アクチュアルな思考の可能性を探る。宇野邦一の評論「『肉の告白』からアナルケオロジーへ フーコーの最後の思想(前篇)」 


もくじ

〈歳時創作シリーズ 伍〉季・憶 Ki-Oku

乃東枯(なつかれくさかるる)       西村賢太

鷹乃学習(たかすなわちがくしゅうす)   重松 清

大雨時行(たいうときどきふる)      町田 康

〈特別対談〉

名前のない世界への扉を探して                 穂村弘×川上未映子

〈ロングインタビュー〉

もしも言葉が一枚の巨大な網ならば            多和田葉子 聞き手 小澤英実

〈短篇90枚〉

光           佐藤洋二郎

〈中篇100枚〉

シェーデル日記         四元康祐

〈評論〉

『肉の告白』からアナルケオロジーへ(前篇)             宇野邦一

〈連作〉

ピエタとトランジ〈完全版〉(10)藤野可織    

〈連載〉

帝国の黄昏〔2〕  花村萬月

御社のチャラ男〔3〕 絲山秋子

おおきな森〔7〕  古川日出男

人外(にんがい)〔8〕  松浦寿輝

二月のつぎに七月が〔15〕  堀江敏幸

山海記〔18〕  佐伯一麦

ブロークン・ブリテンに聞け〔5〕 ブレイディみかこ

レンマ学〔6〕  中沢新一


出雲神話論〔10〕  三浦佑之

人間とは何か                  ──フランス文学による感情教育──〔12〕中条省平

たましいを旅するひと──河合隼雄〔17〕 若松英輔

〈世界史〉の哲学〔105〕  大澤真幸

現代短歌ノート〔98〕  穂村 弘

〈随筆〉

魔王たちと「空中庭園」 井波律子

まっさーじ放浪記  綿矢りさ

フィリップ!  崔 実

理想の墓石を求めて  市川春子

行きつけの店  金井真紀

映画以外の趣味  山戸結希

校舎内の異界について  マーサ・ナカムラ

〈書評〉

「歴史」の鏡としての小説(『草薙の剣』橋本 治)                     安藤礼二

嫉妬の炎(『湖畔の愛』町田 康)    立川談四楼

読むことの臨界を超えて(『紋章と時間 諏訪哲史文学芸術論集』諏訪哲史)         高原英理

書く女たちの危うさと救い(『みなさんの爆弾』朝比奈あすか)               木村紅美

富岡幸一郎×諏訪哲史×朝比奈あすか

「ある男」平野啓一郎                         (文學界2018年6月号)

「生き方の問題」乗代雄介                       (群像2018年6月号)

「藁の王」谷崎由依                          (新潮2018年6月号)