巻頭特集 

大江健三郎の〈現代性〉Ⅰ

「大江健三郎全小説」がついに完結。さまざまな著者による大江文学の「読み直し」は、現代社会のリ・マッピングにつながっていた。未来に読み継ぐための指針となる論考を、ふた月にわたりお届けする。巻頭特集 大江健三郎の〈現代性〉Ⅰ 安藤礼二「純粋天皇の胎水」 宇野重規「祈り、テキスト、習慣――大江健三郎と現代日本の精神性」 尾崎真理子「予言者としての大江――「全小説」解説を書き終えて」


創作 

石原慎太郎「愛の迷路」

僕にはあれしかありはしない。『太陽の季節』『亀裂』『若い獣』に列する、作家の中核をなす”拳闘”――そして”恋愛”小説の最前線。石原慎太郎の創作「愛の迷路」

創作
藤代 泉「藍色」、小林エリカ「父たちの冒険 The Adventures of Fathers」、李 琴峰「セイナイト」、
評論
矢野利裕「無数のざわめきとともに騒げ!――いとうせいこう論」、石橋正孝「絵画・推理・歴史――シャーロック・ホームズの「歴史戦」」
アメリカで最も権威のある文学賞「全米図書賞」の翻訳文学部門に多和田葉子氏の「献灯使」(翻訳:マーガレット満谷/初出:「群像」2014年8月号)が選ばれた。受賞記念を記念して、阿部公彦「檻の中のライオン」、都甲幸治「死より詩を――多和田葉子の文章」、小澤英実「パフォームする言葉たち」を掲載!

創作 

倉数茂「百の剣(つるぎ)」 太田靖久「アフロディーテの足」

特集 文学にできることを Ⅰ〈短篇創作〉
瀬戸内寂聴、笙野頼子、日和聡子、高橋弘希、小山田浩子

「真希」のことばかり考えるようになってから半年くらいになる。会ったことはないし、どんな顔をしているのかもわからない。ネットの「手記」を手がかりに、「わたし」は夢想する――。倉数茂の創作「百の剣(つるぎ)」。彼女の幸せを祝える男でいたい――。冴えない中年男の悲哀をスピーディな文体で描きだす。太田靖久の創作「アフロディーテの足」

私たちは何処から来て何処へ行くのか。何事を感じ何事を思うのか。如何に読み如何に書くのか。今、できることは何か。新シリーズ「文学にできることを」第一弾、短篇創作特集。瀬戸内寂聴「遺言」、笙野頼子「返信を、待っていた」、日和聡子「鏡」、高橋弘希「21ピース 日曜日の人々(サンデー・ピープル)〈付録と補遺〉」、小山田浩子「夜神楽の子供」

新連載評論 

三浦哲哉「LA・フード・ダイアリー」 

野間文芸賞・野間文芸新人賞 受賞記念企画
随筆・橋本治 対談・金子 薫×高橋源一郎、乗代雄介×保坂和志

サバティカルのため、家族とともにアメリカに降り立った私を待ち受けた現実――気鋭の映画研究者・批評家による、アメリカ・レポート。三浦哲哉の新連載評論「LA・フード・ダイアリー」 

第71回野間文芸賞を受賞した橋本治による随筆「『草薙の剣』――六人の主人公と七番目の男」。第40回野間文芸新人賞を受賞した金子薫と乗代雄介。金子の小説の秘密を高橋源一郎が解き明かしていく対談「小説世界を作り出す架空の言葉たち」。一方、乗代は、対談「書かない者のまなざしを忘れて書くことはできない」で保坂和志と語り合う。

論点 

保阪正康 吉田徹 小田原のどか

多和田葉子の新連載「星に仄めかされて」

今月の「群像」の論点として、保阪正康「天皇の歴史意識」、吉田徹「ポピュリズムとなかまたち――山本太郎はひとりなのか」、小田原のどか「彫刻とはなにか――「あいちトリエンナーレ2009」が示した分断をめぐって」を掲載。


〈巻頭特集〉

大江健三郎の〈現代性〉Ⅰ

純粋天皇の胎水  安藤礼二

祈り、テキスト、習慣――大江健三郎と現代日本の精神性  宇野重規

予言者としての大江――「全小説」解説を書き終えて 尾崎真理子

〈創作〉

愛の迷路  石原慎太郎

百の剣  倉数 茂

アフロディーテの足 太田靖久

〈新連載評論〉

LA・フード・ダイアリー 三浦哲哉

〈論点〉

天皇の歴史意識  保阪正康

ポピュリズムとなかまたち――山本太郎はひとりなのか  吉田 徹

彫刻とはなにか――「あいちトリエンナーレ2019」が示した分断をめぐって  小田原のどか

〈連載完結〉

星に仄めかされて〔10〕  多和田葉子

〈鼎談シリーズ〉

徹底討議 二〇世紀の思想・文学・芸術 第二回「世界内戦1.0」  松浦寿輝×沼野充義×田中 純  

〈連載〉

その日まで〔13〕  瀬戸内寂聴

チーム・オベリベリ〔11〕  乃南アサ

鉄の胡蝶は記憶に歳月の夢に彫るか〔15〕  保坂和志

おおきな森〔14〕   古川日出男
二月のつぎに七月が〔20〕  堀江敏幸
ブロークン・ブリテンに聞け Listen to Broken Britain〔12〕ブレイディみかこ
出雲神話論〔17〕  三浦佑之

帝国の黄昏〔15〕  花村萬月

おおきな森〔22〕   古川日出男

ブロークン・ブリテンに聞け Listen to Broken Britain〔20〕ブレイディみかこ

愚行の賦〔3〕  四方田犬彦

全体論と有限 ーひとつの「小説」論ー〔11〕 佐々木 敦

人間とは何か──フランス文学による感情教育──〔27〕   中条省平

〈世界史〉の哲学〔119〕  大澤真幸

現代短歌ノート〔113〕  穂村 弘

〈随筆〉   

「フェイクニュースは私だ」  瀬戸夏子

生産性に抗するラディカルな生  木澤佐登志

お腹を空かせた子どもたち  渡辺由美子

フォーク並びとポピュリズム  綿野恵太

〈書評〉

幼年期と山のむこう(『いかれころ』三国美千子)  長﨑健吾

ジキルとハイドの肌触り(『生のみ生のままで』綿矢りさ)  阿部公彦  

私はいかにして私で在り続けるか(『緋の河』桜木紫乃)  武田砂鉄

静謐なる狂気――虚構と身体性のリアル(『窓の外を見てください』片岡義男)  諏訪哲史

〈創作合評〉 

藤野千夜×大澤 聡×矢野利裕

「夜の底の兎」木村紅美(「群像」2019年9月号)

「語り手たち」間宮 緑(「群像」2019年9月号)

「音に聞く」高尾長良(「文學界」2019年9月号)