
群像(7月7日発売)
1300円
新連載小説 青山七恵「はぐれんぼう」 | |
クリーニング店に勤めるわたしは、持ち主が引き取りに来ない預かり物を自宅に持ち帰る。夢から覚めると、衣服がわたしを覆っていたーー。青山七恵の新連載小説「はぐれんぼう」 |
初夏短篇特集 いしいしんじ 上田岳弘 円城塔 川上弘美 長嶋有 長島有里枝 沼田真佑 町田康 松田青子 | |
初夏短篇特集は、いしいしんじ「息のかたち」、上田岳弘「悪口」、円城塔「この小説の誕生」、川上弘美「遠ざかる馬のうしろ姿」、長嶋有「ゴジとサンペイ」、長島有里枝「二人の計画」、沼田真佑「入船」、町田康「スサノオノミコト」、松田青子「斧語り」の八編を掲載! |
新連載 大澤真幸「〈世界史〉の哲学 現代篇」くどうれいん「日日是目分量」保阪正康「Nの廻廊」 [特集 翻訳小説]特集 翻訳小説 | |
著者ライフワークがついに「本丸」に突入! フロイトからはじまる「現代」の正体とは。大澤真幸の「〈世界史〉の哲学 現代篇」。『私を空腹にしないほうがいい』『うたうおばけ』が話題の著者による新感覚エッセイ連載、くどうれいん「日日是目分量」がスタート。昭和二十七年春、僕たちは出会った・・・・・・。六十年の歳月を往還し、自裁した亡友の秘めた思いに迫る、保阪正康「Nの廻廊」。 [続々]
所有について 鷲田清一
〈所有〉とは固有性と譲渡可能性のあいだにあるらしい。その薄暗がりのなかで、〈わたし〉は生まれた・・・・・・。「ほかならぬ自分のものなるがゆえに、意のままにできる」というのは、ある種の迷妄ではないのか?
ロック、ルソー以来、近代を通底する難題(アポリア)に挑む哲学者の、積年の思索の結晶化に読者は立ち会うことになる。
ガザ、西岸地区、アンマン――「国境なき医師団」を見に行く いとうせいこう
2019年11月、『国境なき医師団』の活動に密着すべくイスラエルからガザ地区に向かった著者が目にしたものとは――。アメリカとイランの緊張状態が続くなか、「世界の今」を届ける短期集中ルポルタージュ。
2011―2021 視えない線の上で 石戸諭
常に既視感があった。2011年3月11日からの出来事は、未来を先取りしていたのではないか――。気鋭のジャーナリストが真摯な視線で描き出す「震災後の世界」。
辺境図書館 皆川博子
この辺境図書館には、皆川博子館長が蒐集してきた名作・稀覯本が収められている――人気連載が「群像」に転 |
批評 小川公代 高原到 | |
本質主義的な見方から脱却し、弱者をエンパワーするために欠かせない要素――「ケアの倫理」をウルフやキーツなどの文学作品から考察する。小川公代「“ケアの倫理”とエンパワメント――ヴァージニア・ウルフから多和田葉子まで」。敗戦直後に生まれた対照的な二人の作家は、「戦争」を書く際に「異界」に踏み出さざるを得なかった。高原到「失われた「戦争」を求めて――中上健次と村上春樹」。 |
論点 海猫沢めろん「コロナと子供」、松村圭一郎「国家とアナキズム」 | |
論点は『パパいやめろん』が話題の海猫沢めろん「大人と子供のコロナ世界」と人類学者・松村圭一郎による「国家とアナキズム」を掲載。 |

〈新連載小説〉〈新連載小説〉
ゴッホの犬と耳とひまわり 長野まゆみ
〈新年短篇特集〉
見るな 瀬戸内寂聴
焚書類聚 皆川博子
タンパク 高樹のぶ子
カズイスチカ 高橋源一郎
星を送る 高村 薫
漏斗と螺旋 山尾悠子
UFOとの対話 保坂和志
恋ははかない、あるいは、プールの底のステーキ 川上弘美
ぶつひと、ついにぶたにならず 小池昌代
わたし舟 多和田葉子
未の木 飛 浩隆
神xyの物語 町田 康
我が人生最悪の時 磯﨑憲一郎
M――「怨む御霊」考 古川日出男
猿を焼く 東山彰良
Green Haze 阿部和重
あら丼さん 長嶋 有
最後の恋 上田岳弘
クレペリン検査はクレペリン検査の夢を見る 松田青子
トーチカ 藤野可織
隕石 滝口悠生
猪垣 青山七恵
ほんのこども 町屋良平
目白ジャスミンティー 山田由梨
〈野間文芸賞・野間文芸新人賞発表〉
第72回野間文芸賞受賞作
「人外」 松浦寿輝
第41回野間文芸新人賞受賞作
「神前酔狂宴」 古谷田奈月
「デッドライン」 千葉雅也
受賞のことば/選評(小川洋子 島田雅彦 高橋源一郎 長嶋 有 保坂和志 星野智幸〈新連載小説〉
はぐれんぼう 青山七恵〈初夏短篇特集〉息のかたち いしいしんじ悪口 上田岳弘この小説の誕生 円城塔遠ざかる馬のうしろ姿 川上弘美ゴジとサンペイ 長嶋有二人の計画 長島有里枝入船 沼田真佑スサノオノミコト 町田康斧語り 松田青子〈新連載〉〈世界史〉の哲学 現代篇 大澤真幸日日是目分量 くどうれいんNの廻廊 保阪正康〈批評〉“ケアの倫理”とエンパワメント――ヴァージニア・ウルフから多和田葉子まで 小川公代失われた「戦争」を求めて――中上健次と村上春樹 高原到非人間〔2〕 大澤信亮ショットとは何か〔3〕 蓮實重彦〈短期集中ルポ〉ガザ・西岸地区・アンマン〔6〕「国境なき医師団」を見に行く いとうせいこう〈論点〉海猫沢めろん 大人と子供のコロナ世界松村圭一郎 国家とアナキズム〈連載〉その日まで〔17〕 瀬戸内寂聴 ゴッホの犬と耳とひまわり〔8〕 長野まゆみ 鉄の胡蝶の歳月の記憶に夢に彫るか〔24〕 保坂和志 |
二月のつぎに七月が〔29〕 堀江敏幸 ブロークン・ブリテンに聞け Listen to Broken Britain〔30〕 ブレイディみかこ ハロー、ユーラシア〔3〕 福嶋亮大 薄れゆく境界線 現代アメリカ小説探訪〔3〕 諏訪部浩一 「近過去」としての平成〔5〕 武田砂鉄 「ヤッター」の雰囲気〔5〕 星野概念 星占い的思考〔5〕 石井ゆかり 所有について〔6〕 鷲田清一 辺境図書館〔6〕 皆川博子 国家と批評〔6〕 大澤聡 LA・フード・ダイアリー〔11〕 三浦哲哉 現代短歌ノート〔123〕 穂村 弘 私の文芸文庫〔8〕 片岡義男 極私的雑誌デザイン考〔7〕 川名潤 〈随筆〉おおあんごう 加賀翔 図書館求めて三千里 中西智佐乃 共感をもたらす重さについて 尹 雄大 本屋の自由勉強 一條宣好 〈書評〉その物語を行くしかない(『逃亡者』中村文則) 尾崎真理子 それは、私たちだけのもの(『持続可能な魂の利用』松田青子) ひらりさ 響きあう言霊(『多和田葉子ノート』室井光広) 松永美穂 〈創作合評〉 亀山郁夫×安藤礼二×日和聡子 石原燃「赤い砂を蹴る」(「文學界」六月号) 小林エリカ「脱皮」(「群像」六月号) 井戸川射子「膨張」(「群像」七月号) 岡田利規「観葉植物たちがラブソングを嗜んだあの日」(「新潮」七月号) |