群像2020年11月号

ルポ一挙掲載 古川日出男「4号線と6号線と」

コロナ禍で失われた「復興五輪」の夏。私は異な人間として故郷福島をひた歩く。被災の記憶を遺すためにできることは何か。渾身のルポルタージュ。古川日出男「4号線と6号線と」


創作特集 密室 上田岳弘 谷崎由依 津村記久子 長島有里枝 東山彰良 藤野可織

誰もが密室を持っている【創作特集 密室】は、上田岳弘「つくつく法師」、谷崎由依「特異点」、津村記久子「メダカと猫と密室」、長島有里枝「あなたのことを話して」東山彰良「無垢と無情」、藤野可織「積み重なる密室」を掲載。


創作 井戸川射子「ここはとても速い川」

大麦園で暮らす集は、ノートに日々を綴り始めた。ばあちゃんに俺のことを知ってもらおうと思ったから。井戸川射子の創作「ここはとても速い川」


特別対談 工藤庸子×尾崎真理子「女たちの大江健三郎」

「大江文学はオトコモノ」なんて、もう絶対に言わせませんーー。『大江健三郎全小説全解説』を書き上げた著者と、「晩年の仕事」として大江を論じるフランス文学者によるスリリングな対談。工藤庸子×尾崎真理子「女たちの大江健三郎」 


論点 中村和恵 信田さよ子 長谷川香 森川輝一 安田菜津紀

今月の論点は、中村和恵「隣人とわたし――『パチンコ』とジュリー・オオツカ、移民たちの物語」、信田さよ子「ドメスティック・バイオレンス」、長谷川香「儀礼空間としての都市――近代天皇制の「記憶」をめぐって――」、森川輝一「もし自粛警察の匿名ボランティアがカミュの『ペスト』を読んだら」、安田菜津紀「「優生思想」と向き合うことは、自身の中の「加害性」に気づくこと」を掲載。


もくじ

〈ルポ一挙掲載〉

4号線と6号線と 古川日出男

〈創作特集〉

つくつく法師 上田岳弘

特異点 谷崎由依

メダカと猫と密室  津村記久子

あなたのことを話して 長島有里枝

向くと無情  東山彰良

積み重なる密室  藤野可織

〈創作〉

ここはとても速い川  井戸川射子

〈『大江健三郎全小説全解説』刊行記念特別対談〉

女たちの大江健三郎  工藤庸子×尾崎真理子

〈戯曲〉

君の庭  松原俊太郎 

〈chat〉

ウルフ・チャット#1 小澤みゆき×関口竜平

〈ノンフィクション〉

2011-2021 視えない線の上で〔5〕 石戸諭

〈追悼 D・グレーバー〉

「神秘的な、楽しい未来」に向けて――デイヴィッド・グレーバーを読み続けるために  片岡大右

〈論点〉

隣人とわたし――『パチンコ』とジュリー・オオツカ、移民たちの物語 中村和恵

ドメスティック・バイオレンス 信田さよ子

儀礼空間としての都市――近代天皇制の「記憶」をめぐって―― 長谷川香 

もし自粛警察の匿名ボランティアがカミュの『ペスト』を読んだら  森川輝一

「優生思想」と向き合うことは、自身の中の「加害性」に気づくこと  安田菜津紀

〈連載〉

はぐれんぼう〔4〕  青山七恵

鉄の胡蝶は夢に記憶は歳月は彫るか〔27〕  保坂和志

二月のつぎに七月が〔32〕  堀江敏幸

マルクスる思考〔2〕  斎藤幸平

硝子万華鏡〔2〕  日和聡子×ヒグチユウコ

日常の横顔〔3〕  松田青子

日日是目分量〔4〕  くどうれいん

Nの廻廊〔4〕  保阪正康

薄れゆく境界線 現代アメリカ小説探訪〔6〕  諏訪部浩一

ハロー、ユーラシア〔7〕  福嶋亮大

歴史の屑拾い〔7〕  藤原辰史

「近過去」としての平成〔8〕  武田砂鉄

「ヤッター」の雰囲気〔8〕  星野概念

星占い的思考〔8〕  石井ゆかり

所有について〔9〕  鷲田清一

辺境図書館〔9〕  皆川博子

国家と批評〔8〕  大澤聡

〈世界史〉の哲学〔128〕  大澤真幸

私の文芸文庫〔11〕  戌井昭人

極私的雑誌デザイン考〔10〕  川名潤

〈随筆〉

見えなくても声は聞こえる  小森はるか

催眠と不在証明  漆原正貴  

天文学的比喩としての他者  近内悠太

横井家墓所と横井文書  馬部隆弘

春光堀切橋散歩  三木三奈

長寿梨  山﨑修平

隣のお化け  吉田篤弘

〈書評〉

『アウア・エイジ(our age)』岡本学  長瀬海

『百年と一日』柴崎友香  佐々木敦

『人間とは何か 偏愛的フランス文学作家論』中条省平  野崎歓

『サキの忘れ物』津村記久子  伊藤氏貴  

〈創作合評〉

中条省平×松永美穂×蜂飼耳

今村夏子「嘘の道」(「群像」十月号)

黒川創「ウィーン近郊」(「新潮」十月号)

松家仁之「泡」(「すばる」十月号)