【短篇】川上弘美 町田 康

対談で訪れた出版社の担当編集者・弓田ミナトが口にした、思わぬ事実。(川上弘美「そういう時に限って冷蔵庫の中のものが」)

葦原中国を平定するため神を遣わすものの誰も帰ってこない。町田版「国譲り神話」。(町田 康「天之忍穂耳命と邇邇芸命」)

・巻頭一挙掲載
「あなたにオススメの」 本谷有希子
「推子のデフォルト」……〈等質〉になれない子を抱えたママ友の悩みは、推子にとって最高のコンテンツだった。
「マイイベント」……巨大台風が近づきつつある川沿いのマンションで、渇幸はわくわくを抑えきれない。
・読み切り
「こんにちは赤ちゃん」 小林エリカ

【中篇】松波太郎「王国の行方」 藤代 泉「姫沙羅」 湯浅真尋「導くひと」

言葉をきちんと覚えなくちゃいけないなんて誰が決めたんだろう。「命の成長」をユニークに描く意欲作。(松波太郎「王国の行方――二代目の手腕」)

かつて馬が見つめていた場所に、父は姫沙羅の木を植えた。不器用にしか生きられない私たちの静謐な物語。(藤代 泉「姫沙羅」)

「一ノ瀬さんがいなくなりました」。彼はなぜ消えたのか、魂の遍歴。群像新人文学賞受賞後第一作。(湯浅真尋「導くひと」)

・短期集中連作
「ケアの倫理とエンパワメント オスカー・ワイルドの越境するケア――三島由紀夫、多和田葉子の全人類的視点」 小川公代
・連載完結
「ショットとは何か」 蓮實重彦
・読み切り
「人間―でないもの」 樫村晴香

小特集「旅」【創作】上田岳弘 倉数 茂 津村記久子 藤野可織 【アンケート】「想い出の駅」

まるで自分の人生じゃないみたいだ。隣で運転する男はアクセルを踏み込む。(上田岳弘「旅のない」) お父さん、この中にいるの。中に入っちゃったの――。(倉数 茂「父の箱」) キヨはゲームの中の地図から架空の都市を作り、レポート用紙に書き込んでは授業中にアサに見せていた。(津村記久子「イン・ザ・シティ」) 事件が起きなかったら知ることもなかった少女の死。わたしは花束を持って現場へ向かう。(藤野可織「花束」)

起点、終点、通過点。51人の駅の記憶。(アンケート「想い出の駅」)

2020年のジョン・レノン
「1962年のハンバーガー」 片岡義男
「星の歌」 高橋久美子
「アミラル」 向井康介

【新連載】星野 太「食客論」 三木那由他「言葉の展望台」 竹田ダニエル「世界と私のA to Z」

【野間文芸賞・野間文芸新人賞発表】

友でも敵でもない曖昧な他者=パラサイトの原理を追究する。ロラン・バルトの問いを継ぐパラサイトロジーの試み。(星野 太「食客論」)

コミュニケーションは謎に満ちている。言語で日常を捉え直すと、新しい風景が見えてくる。(三木那由他「言葉の展望台」)

我々は地続きの今を生きている。アメリカ在住のZ世代が綴る時事エッセイ。(竹田ダニエル「世界と私のA to Z」)


【鼎談】吉田恭子×小野正嗣×辛島デイヴィッド 【対談】小川公代×中村佑子

大学の文芸創作科、変わる文芸誌、エージェントの役割……。英米でのデビューの背景はどうなっているのか。(吉田恭子×小野正嗣×辛島デイヴィッド「英語圏で「作家になる」こと」)

「母」に新たな意味を見出し、不可視化されている社会を攪乱する。「ケア」の倫理を探る対話。(小川公代×中村佑子「不可視化されている私たちの言葉の居場所」)

【論点】
「その警官、友人につき」 阿部大樹
「私たちは行列する——2020年アメリカ大統領選挙を見つめて」 シェリーめぐみ
「本当なのは一瞬だった」 ジョン・フリーマン 小澤身和子訳
「日本の「自粛警察」とファシズム——ドイツとの比較から考える」 田野大輔
「コミュニケーション的暴力としての、意味の占有」 三木那由他

〈創作〉

そういう時に限って冷蔵庫の中のものが  川上弘美 

天之忍穂耳命と邇邇芸命  町田 康

王国の行方――二代目の手腕  松波太郎

姫沙羅  藤代 泉

導くひと  湯浅真尋

見えない道標」 若松英輔
「読む」ことで巡り会いながら、通り過ぎたものと再び向き合うために――自らの生涯をたどり直す。
【創作】
「夜中目が覚めた時に必ず考える」 川上弘美
「桃息吐息」 いしいしんじ
【震災後の世界10先行掲載】
「国家・ゼロエフ・浄土」 古川日出男
【小特集 第三の新人】
・創作 「あかるい場所」 江國香織
・エッセイ 「山の上の家のまわり」 島田潤一郎
・批評 「日常の再発見に向けて――「第三の新人」を読むために」 山本貴光
・アンケート 「いま読みたい第三の新人作品」 石倉真帆/石田千/大前粟生/小川哲/河﨑秋子/木村紅美/郡司ベギオ幸夫/高橋弘希/高山羽根子/乗代雄介/三国美千子/水原涼
【チェルフィッチュ群像公演】
・創作 「消しゴム式」 チェルフィッチュ/岡田利規
・解説 「「消しゴム式」への道」 岡田利規
・エッセイ 「消しゴムを最後まで使い切ったことがない」 金氏徹平
・批評 「エコロジカル・クライシスにおける「共鳴の領域」の探究」 篠原雅武
【批評・ノンフィクション】
・新連載 「旋回する人類学」 松村圭一郎
・最終回 「非人間」 大澤信亮 「ケアの倫理とエンパワメント」 小川公代
・読み切り 「フェミニズム小説としての津島佑子――『笑いオオカミ』『ナラ・レポート』を読む 木村朗子
・連作 「大江健三郎と「晩年の仕事」」 工藤庸子 「2011―2021 視えない線の上で」 石戸諭
・対談 「批評のマテリアリズム」 安藤礼二×佐々木敦
【古井由吉一周忌】
「競馬場の人」 高橋源一郎
「こんな日もある 競馬徒然草」 古井由吉
「過渡期の書――『東京物語考』考」 蜂飼耳
「ひじりの庭」 築地正明
【映画公開記念対談】
「小説『身分帳』から映画『すばらしき世界』へ」 西川美和×六角精児
【コラボ連載】
「DIG 現代新書クラシックス」 荒井裕樹「アフター・コロナの優生思想」
【追悼半藤一利】
「戦後の精神」 保阪正康
「現代日本の墨家たらんとした人」 井上亮見えない道標 若松英輔

【小特集「旅」】

〈創作〉

旅のない  上田岳弘

父の箱  倉数 茂

イン・ザ・シティ  津村記久子

花束  藤野可織

〈アンケート〉

想い出の駅

青木 淳/青山 潤/有栖川有栖/イザベラ・ディオニシオ/石田 千/石原良純/市原佐都子/戌井昭人/犬飼勝哉/岩阪恵子/尾形真理子/荻上直子/角幡唯介/香山 哲/川内有緒/上妻世海/こだま/小松由佳/佐伯一麦/坂本千明/紗倉まな/椎名 誠/神 慶太/諏訪哲史/たかのてるこ/田中慎弥/辻 琢磨/辻原 登/津村節子/徳永圭子/沼野充義/野々すみ花/乗代雄介/橋本倫史/原 武史/パリッコ/平松洋子/星野博美/前田司郎/益田ミリ/松井 周/松永美穂/三木三奈/連 勇太朗/安田菜津紀/山下澄人/山下 優/山本 亮/横山悠太/吉川祥一郎/米田夕歌里

〈新連載〉

食客論  星野 太

言葉の展望台  三木那由他

世界と私のA to Z  竹田ダニエル

〈批評〉 

二度目の永劫回帰  樫村晴香

嫉妬が大好きなあなたたちへ  山本 圭

〈『文芸ピープル』刊行記念鼎談〉 

英語圏で「作家になる」こと  吉田恭子×小野正嗣×辛島デイヴィッド

〈特別対談〉  

不可視化されている私たちの言葉の居場所  小川公代×中村佑子

〈最終回〉 

ハロー、ユーラシア  福嶋亮大

〈コラボ連載〉

DIG 現代新書クラシックス〔5〕  どのような新書をつくるか  佐々木雄一

〈連載〉

見えない道標〔3〕  若松英輔

戒厳〔6〕  四方田犬彦

はぐれんぼう〔10〕  青山七恵

ゴッホの犬と耳とひまわり〔16〕  長野まゆみ

鉄の胡蝶は歳月に記憶を夢に彫るか〔33〕  保坂和志

スマートな悪 技術と暴力について〔2〕  戸谷洋志

こんな日もある 競馬徒然草〔3〕  古井由吉

旋回する人類学〔3〕  松村圭一郎

ポエトリー・ドッグス〔4〕  斉藤 倫  

マルクスる思考〔8〕  斎藤幸平

硝子万華鏡〔8〕  日和聡子×ヒグチユウコ

現代短歌ノート二冊目〔8〕  穂村 弘

日常の横顔〔9〕  松田青子

日日是目分量〔9〕  くどうれいん  

薄れゆく境界線 現代アメリカ小説探訪〔12〕  諏訪部浩一

歴史の屑拾い〔13〕  藤原辰史

「近過去」としての平成〔14〕  武田砂鉄

「ヤッター」の雰囲気〔14〕  星野概念

星占い的思考〔14〕  石井ゆかり

辺境図書館〔15〕  皆川博子

国家と批評〔14〕  大澤 聡

〈世界史〉の哲学〔132〕  大澤真幸

文芸文庫の風景〔5〕  六角堂DADA

極私的雑誌デザイン考〔16〕  川名 潤

文芸文庫通信〔3〕 

〈随筆〉

春と朝食  山田佳奈

〈書評〉

『さのよいよい』戌井昭人  小山田浩子

『翻訳教室 はじめの一歩』鴻巣友季子  阿部公彦

『デヴィッド・ボウイ 無を歌った男』田中 純  細馬宏通

『原子力の哲学』戸谷洋志  小林エリカ

〈創作合評〉

「最後の挨拶 His Last Bow」小林エリカ

「氷柱の声」くどうれいん

「誰にも奪われたくない」児玉雨子

野崎 歓×小澤英実×水原 涼