第64回群像新人文学賞

受賞作発表!

当選作は石沢麻依「貝に続く場所にて」島口大樹「鳥がぼくらは祈り、」、優秀作は松永K三蔵「カメオ」に決まりました。受賞の言葉、選評(柴崎友香・島田雅彦・古川日出男・町田 康・松浦理英子)と合わせてお読み下さい。優秀作の作品掲載は次号になります。

・巻頭一挙掲載
「あなたにオススメの」 本谷有希子
「推子のデフォルト」……〈等質〉になれない子を抱えたママ友の悩みは、推子にとって最高のコンテンツだった。
「マイイベント」……巨大台風が近づきつつある川沿いのマンションで、渇幸はわくわくを抑えきれない。
・読み切り
「こんにちは赤ちゃん」 小林エリカ

ルシア・ベルリン3作品

岸本佐知子が訳し下ろし

没後「再発見」され、一昨年『掃除婦のための手引き書』が話題となったルシア・ベルリン。単行本未収録作品から3篇「虎に嚙まれて」「カルメン」「B・Fとわたし」岸本佐知子が訳し下ろし。単行本第2弾も予定していますので、お楽しみに!

・短期集中連作
「ケアの倫理とエンパワメント オスカー・ワイルドの越境するケア――三島由紀夫、多和田葉子の全人類的視点」 小川公代
・連載完結
「ショットとは何か」 蓮實重彦
・読み切り
「人間―でないもの」 樫村晴香

【短篇】川上弘美 【中篇】朝比奈あすか 井戸川射子

部屋を訪ねてから半年が過ぎた。カズと仕事先でばったり会って、焼き鳥とポテトサラダのある喫茶店に行った。(川上弘美「吉行淳之介だけれど、もともとは牧野信一の」)

わたしが勤めはじめた塾には、いたるところに「見守りEYES」という監視の目がついていた。(朝比奈あすか「誰もいない教室」)

アプリで出会って一ヵ月、初めて彼の家へ行けた。幼なじみの脚本を、また受け取った。もうすぐ私は二十五歳になる。(井戸川射子「素晴らしく幸福で豊かな」)

2020年のジョン・レノン
「1962年のハンバーガー」 片岡義男
「星の歌」 高橋久美子
「アミラル」 向井康介

小説における愛とは?

江國香織×東山彰良

【野間文芸賞・野間文芸新人賞発表】

「愛」をどう描くのか。ホンモノとは何か――。『どの口が愛を語るんだ』刊行を記念した、「アウトサイダー」二人の対話、江國香織×東山彰良「愛、ホンモノ、文学の周辺」をお楽しみ下さい。


【批評】矢野利裕 【最終回】工藤庸子 小田原のどか 町屋良平

物語は誰のためにあるのか――批評の未来を拓く文学論。(矢野利裕「おかしさを見すえて、夢中に生きて――西加奈子論」)

「リリーディング」によって後期大江の全体像を照らし出した批評がついに完結。(工藤庸子「大江健三郎と「晩年の仕事(レイト・ワーク)」」第6回)

立体造形、総合造形、立体アート、フィギュア……「彫刻」という言葉は、失われつつある。情況への応答。(小田原のどか「近代を彫刻/超克する」第3回)

生きている私が「現実」として見ているものはなんだったのだろう。連作最終回。(町屋良平「ほんの私」)

【論点】
「その警官、友人につき」 阿部大樹
「私たちは行列する——2020年アメリカ大統領選挙を見つめて」 シェリーめぐみ
「本当なのは一瞬だった」 ジョン・フリーマン 小澤身和子訳
「日本の「自粛警察」とファシズム——ドイツとの比較から考える」 田野大輔
「コミュニケーション的暴力としての、意味の占有」 三木那由他

〈第64回群像新人文学賞発表〉

〈当選作〉

貝に続く場所にて  石沢麻依 

鳥がぼくらは祈り、  島口大樹

〈優秀作〉(作品掲載は次号)

カメオ  松永K三蔵

受賞の言葉

選評(柴崎友香/島田雅彦/古川日出男/町田 康/松浦理英子)

「読む」ことで巡り会いながら、通り過ぎたものと再び向き合うために――自らの生涯をたどり直す。
【創作】
「夜中目が覚めた時に必ず考える」 川上弘美
「桃息吐息」 いしいしんじ
【震災後の世界10先行掲載】
「国家・ゼロエフ・浄土」 古川日出男
【小特集 第三の新人】
・創作 「あかるい場所」 江國香織
・エッセイ 「山の上の家のまわり」 島田潤一郎
・批評 「日常の再発見に向けて――「第三の新人」を読むために」 山本貴光
・アンケート 「いま読みたい第三の新人作品」 石倉真帆/石田千/大前粟生/小川哲/河﨑秋子/木村紅美/郡司ベギオ幸夫/高橋弘希/高山羽根子/乗代雄介/三国美千子/水原涼
【チェルフィッチュ群像公演】
・創作 「消しゴム式」 チェルフィッチュ/岡田利規
・解説 「「消しゴム式」への道」 岡田利規
・エッセイ 「消しゴムを最後まで使い切ったことがない」 金氏徹平
・批評 「エコロジカル・クライシスにおける「共鳴の領域」の探究」 篠原雅武
【批評・ノンフィクション】
・新連載 「旋回する人類学」 松村圭一郎
・最終回 「非人間」 大澤信亮 「ケアの倫理とエンパワメント」 小川公代
・読み切り 「フェミニズム小説としての津島佑子――『笑いオオカミ』『ナラ・レポート』を読む 木村朗子
・連作 「大江健三郎と「晩年の仕事」」 工藤庸子 「2011―2021 視えない線の上で」 石戸諭
・対談 「批評のマテリアリズム」 安藤礼二×佐々木敦
【古井由吉一周忌】
「競馬場の人」 高橋源一郎
「こんな日もある 競馬徒然草」 古井由吉
「過渡期の書――『東京物語考』考」 蜂飼耳
「ひじりの庭」 築地正明
【映画公開記念対談】
「小説『身分帳』から映画『すばらしき世界』へ」 西川美和×六角精児
【コラボ連載】
「DIG 現代新書クラシックス」 荒井裕樹「アフター・コロナの優生思想」
【追悼半藤一利】
「戦後の精神」 保阪正康
「現代日本の墨家たらんとした人」 井上亮見えない道標 若松英【小特集「旅」】

〈創作・翻訳〉

虎に嚙まれて/カルメン/B・Fとわたし  ルシア・ベルリン 岸本佐知子 訳・解説

〈創作〉

吉行淳之介だけれど、もともとは牧野信一の  川上弘美

誰もいない教室  朝比奈あすか

素晴らしく幸福で豊かな  井戸川射子

〈『どの口が愛を語るんだ』刊行記念対談〉

愛、ホンモノ、文学の周辺  江國香織×東山彰良

〈批評〉

おかしさを見すえて、夢中に生きて――西加奈子論  矢野利裕

〈最終回〉

〈批評〉

大江健三郎と「晩年の仕事(レイト・ワーク)」〔6〕  工藤庸子

近代を彫刻/超克する〔3〕  小田原のどか

〈創作〉 

ほんの私  町屋良平

〈レポ漫画〉 

100分de名言を求めて〔2〕  増村十七

〈article〉  

さようなら、ファーリンゲティ  ジョン・フリーマン 小澤身和子 訳

〈コラボ連載〉

DIG 現代新書クラシックス〔6〕  まっすぐな時代からの後ずさり  石川輝吉

〈連載〉

その日まで〔20〕  瀬戸内寂聴

見えない道標〔4〕  若松英輔

戒厳〔7〕  四方田犬彦

はぐれんぼう〔11〕  青山七恵

ゴッホの犬と耳とひまわり〔17〕  長野まゆみ

鉄の胡蝶は夢の歳月の記憶は彫るか〔34〕  保坂和志

世界と私のA to Z〔2〕  竹田ダニエル

言葉の展望台〔2〕  三木那由他

スマートな悪 技術と暴力について〔3〕  戸谷洋志

こんな日もある 競馬徒然草〔4〕  古井由吉

旋回する人類学〔4〕  松村圭一郎

ポエトリー・ドッグス〔5〕  斉藤 倫  

マルクスる思考〔9〕  斎藤幸平

硝子万華鏡〔9〕  日和聡子×ヒグチユウコ

現代短歌ノート二冊目〔9〕  穂村 弘

日日是目分量〔10〕  くどうれいん  

薄れゆく境界線 現代アメリカ小説探訪〔13〕  諏訪部浩一

歴史の屑拾い〔14〕  藤原辰史

「近過去」としての平成〔15〕  武田砂鉄

「ヤッター」の雰囲気〔15〕  星野概念

星占い的思考〔15〕  石井ゆかり

辺境図書館〔16〕  皆川博子

国家と批評〔15〕  大澤 聡

文芸文庫の風景〔6〕  六角堂DADA

極私的雑誌デザイン考〔17〕  川名 潤

文芸文庫通信〔4〕 

〈随筆〉

貧者を「信用」する技術  小島庸平

おもくて、やさしい  瀬戸山美咲

地図から消える女  東辻賢治郎

茂りゆく場所  菅原匠子

〈書評〉

『大坂』岸 政彦/柴崎友香  青木淳悟

『ジャックポット』筒井康隆  今野 敏

『つまらない住宅地のすべての家』津村記久子  藤野千夜

『わたしが行ったさびしい町』松浦寿輝  管 啓次郎

『LAフード・ダイアリー』三浦哲哉  廣瀬 純

『山の人魚と虚ろの王』山尾悠子  諏訪哲史

『血も涙もある』山田詠美  綿矢りさ