【新連載】村田喜代子【中篇】李 龍徳【連作完結】松浦理英子

巻頭は村田喜代子さんによる新連載「新「古事記」an impossible story」です。第二次大戦下のアメリカ、どの州にも属さない「Y地」と呼ばれる研究所がある街で物語が始まります。

李龍徳さんの中篇一挙掲載「石を黙らせて」は、野間文芸新人賞受賞後第一作。許されざる罪を犯した男を描く問題作です。

一昨年から不定期で掲載されてきた松浦理英子さんの連作「ヒカリ文集」がついに完結。劇団員6人が恋をしたヒカリとの日々を振り返る文集が、完成の時を迎えます。

・巻頭一挙掲載
「あなたにオススメの」 本谷有希子
「推子のデフォルト」……〈等質〉になれない子を抱えたママ友の悩みは、推子にとって最高のコンテンツだった。
「マイイベント」……巨大台風が近づきつつある川沿いのマンションで、渇幸はわくわくを抑えきれない。
・読み切り
「こんにちは赤ちゃん」 小林エリカ

【小特集「翻訳と」】ジョン・フリーマン 柴田元幸 阿部大樹 辛島デイヴィッド 斎藤真理子 関口涼子 築地正明 古市真由美 古屋美登里 行方昭夫 平石貴樹

小特集「翻訳と」は、「群像」で論点やエッセイを発表してきたジョン・フリーマンさんの詩集『公園』から5篇を、柴田元幸さんが翻訳・解説した創作に始まり、阿部大樹さん、辛島デイヴィッドさん、斎藤真理子さん、関口涼子さん、築地正明さん、古市真由美さん、古屋美登里さんに翻訳にまつわる批評/エッセイを、結びは6月にヘンリー・ジェイムズ『ロデリック・ハドソン』を文芸文庫で新訳刊行した、翻訳歴60年の行方昭夫さんの、平石貴樹さん聞き手によるインタビューという充実のラインナップです。

・短期集中連作
「ケアの倫理とエンパワメント オスカー・ワイルドの越境するケア――三島由紀夫、多和田葉子の全人類的視点」 小川公代
・連載完結
「ショットとは何か」 蓮實重彦
・読み切り
「人間―でないもの」 樫村晴香

【小特集「戦争の」】川崎 徹 木村朗子 久保田智子 諏訪部浩一 保阪正康 井上 亮

小特集「戦争の」は、映画『日本のいちばん長い日』を軸にした川崎徹さんの創作「光の帝国」に、木村朗子さん、久保田智子さん、諏訪部浩一さんによる批評/エッセイが続きます。井上亮さん聞き手による保阪正康さんインタビューでは、「戦争」を中心に、半藤一利さんと立花隆さんについてお話しいただきました。

2020年のジョン・レノン
「1962年のハンバーガー」 片岡義男
「星の歌」 高橋久美子
「アミラル」 向井康介

【芥川賞受賞記念】石沢麻依

【野間文芸賞・野間文芸新人賞発表】

第64回群像新人文学賞の当選作となった石沢麻依さん『貝に続く場所にて』が、第165回芥川龍之介賞を受賞しました。受賞を記念して石沢さんに「15の問い」についてお答えいただきました。


【ノンフィクション】石戸 諭【批評】樫村晴香 三浦哲哉

ノンフィクションは、石戸諭さん「2011-2021視えない線の上で 長いエピローグ」。これまで掲載されてきたものを集めた単行本は2021年秋に刊行予定です。

批評は樫村晴香さんの読み切り「タルコフスキーの〈奇跡〉」と、三浦哲哉さんによる「『ドライブ・マイ・カー』の奇跡的なドライブ感について」。『ドライブ・マイ・カー』は、カンヌ映画祭で脚本賞を受賞しました。

【論点】
「その警官、友人につき」 阿部大樹
「私たちは行列する——2020年アメリカ大統領選挙を見つめて」 シェリーめぐみ
「本当なのは一瞬だった」 ジョン・フリーマン 小澤身和子訳
「日本の「自粛警察」とファシズム——ドイツとの比較から考える」 田野大輔
「コミュニケーション的暴力としての、意味の占有」 三木那由他

〈新連載〉

新「古事記」an impossible story  村田喜代子

〈中篇〉

石を黙らせて  李 龍徳

〈連作完結〉

ヒカリ文集〔5〕  松浦理英子

〈芥川賞受賞記念〉

石沢麻依への15の問い

〈翻訳と〉

〈詩〉

『公園』より五篇 犠牲/元バスケットボール選手たち/終夜営業/冬の日記/世界の果てのディナー  ジョン・フリーマン 柴田元幸 訳

〈批評/エッセイ〉

アメリカと祖父のシベリア  阿部大樹

川上弘美と七人の英訳者たち  辛島デイヴィッド

物語の足場を探る  斎藤真理子

料理の物語を聞かせて  関口涼子

言葉の韻律に耳を澄ます――古井由吉と翻訳  築地正明

マイナーと呼ばれて  古市真由美

フィクションとノンフィクションを翻訳する  古屋美登里

「読む」ことで巡り会いながら、通り過ぎたものと再び向き合うために――自らの生涯をたどり直す。
【創作】
「夜中目が覚めた時に必ず考える」 川上弘美
「桃息吐息」 いしいしんじ
【震災後の世界10先行掲載】
「国家・ゼロエフ・浄土」 古川日出男
【小特集 第三の新人】
・創作 「あかるい場所」 江國香織
・エッセイ 「山の上の家のまわり」 島田潤一郎
・批評 「日常の再発見に向けて――「第三の新人」を読むために」 山本貴光
・アンケート 「いま読みたい第三の新人作品」 石倉真帆/石田千/大前粟生/小川哲/河﨑秋子/木村紅美/郡司ベギオ幸夫/高橋弘希/高山羽根子/乗代雄介/三国美千子/水原涼
【チェルフィッチュ群像公演】
・創作 「消しゴム式」 チェルフィッチュ/岡田利規
・解説 「「消しゴム式」への道」 岡田利規
・エッセイ 「消しゴムを最後まで使い切ったことがない」 金氏徹平
・批評 「エコロジカル・クライシスにおける「共鳴の領域」の探究」 篠原雅武
【批評・ノンフィクション】
・新連載 「旋回する人類学」 松村圭一郎
・最終回 「非人間」 大澤信亮 「ケアの倫理とエンパワメント」 小川公代
・読み切り 「フェミニズム小説としての津島佑子――『笑いオオカミ』『ナラ・レポート』を読む 木村朗子
・連作 「大江健三郎と「晩年の仕事」」 工藤庸子 「2011―2021 視えない線の上で」 石戸諭
・対談 「批評のマテリアリズム」 安藤礼二×佐々木敦
【古井由吉一周忌】
「競馬場の人」 高橋源一郎
「こんな日もある 競馬徒然草」 古井由吉
「過渡期の書――『東京物語考』考」 蜂飼耳
「ひじりの庭」 築地正明
【映画公開記念対談】
「小説『身分帳』から映画『すばらしき世界』へ」 西川美和×六角精児
【コラボ連載】
「DIG 現代新書クラシックス」 荒井裕樹「アフター・コロナの優生思想」
【追悼半藤一利】
「戦後の精神」 保阪正康
「現代日本の墨家たらんとした人」 井上亮見えない道標 若松英【小特集「旅」】

〈文芸文庫通信拡大版/インタビュー〉

読みやすい翻訳で「作家らしさ」を伝える  行方昭夫 聞き手・平石貴樹

〈戦争の〉

〈創作〉

光の帝国  川崎 徹

〈批評/エッセイ〉

現在完了形の近未来――津島佑子『あまりに野蛮な』を読む  木村朗子

1945ひろしまタイムラインから考えたこと  久保田智子

Thank You for Your Service――アメリカ戦争小説の系譜  諏訪部浩一

〈インタビュー〉

戦争体験の継承とノンフィクションの地平――半藤一利さんと立花隆さんの残したもの  保阪正康 聞き手・井上 亮

〈ノンフィクション〉

2011-2021 視えない線の上で 長いエピローグ  石戸 諭

〈批評〉

タルコフスキーの〈奇跡〉  樫村晴香

『ドライブ・マイ・カー』の奇跡的なドライブ感について  三浦哲哉

〈article〉

2021年前半戦 MLB、NPB観戦日記  高山羽根子

〈最終回〉

戒厳〔10〕  四方田犬彦

〈コラボ連載〉

DIG 現代新書クラシックス〔9〕「教養書を読む」とはどういうことか?  山野弘樹

〈連載〉

水納島再訪〔2〕  橋本倫史

はぐれんぼう〔14〕  青山七恵

ゴッホの犬と耳とひまわり〔20〕  長野まゆみ

鉄の胡蝶は記憶は夢に歳月に彫るか〔37〕  保坂和志

二月のつぎに七月が〔38〕  堀江敏幸

ケアする惑星〔2〕  小川公代

食客論〔3〕  星野 太

世界と私のA to Z〔5〕  竹田ダニエル

言葉の展望台〔5〕  三木那由他

スマートな悪 技術と暴力について〔6〕  戸谷洋志

こんな日もある 競馬徒然草〔7〕  古井由吉

旋回する人類学〔7〕  松村圭一郎

ポエトリー・ドッグス〔8〕  斉藤 倫  

マルクスる思考〔11〕  斎藤幸平

現代短歌ノート二冊目〔12〕  穂村 弘

日常の横顔〔11〕  松田青子

日日是目分量〔13〕  くどうれいん  

歴史の屑拾い〔17〕  藤原辰史

「近過去」としての平成〔18〕  武田砂鉄

「ヤッター」の雰囲気〔18〕  星野概念

星占い的思考〔18〕  石井ゆかり

辺境図書館〔19〕  皆川博子

国家と批評〔17〕  大澤 聡

〈世界史〉の哲学〔135〕  大澤真幸

文芸文庫の風景〔9〕  大山 海

極私的雑誌デザイン考〔20〕  川名 潤

〈随筆〉

俺が殺してきた奴らの群像  東 千茅

三十一センチ  平岡直子

〈書評〉

『アンソーシャル ディスタンス』金原ひとみ  郷原佳以

『最後の挨拶 His Last Bow』小林エリカ  小竹由美子

『マチズモを削り取れ』武田砂鉄  西口 想

『植物忌』星野智幸  長瀬 海

『枝の家』黒井千次  三浦雅士

〈創作合評〉

「教育」遠野 遥

「ブラックボックス」砂川文次

「祈りの痕」中西智佐乃

高山羽根子×倉本さおり×矢野利裕