創刊75周年記念号③【創作】金原ひとみ「ハジケテマザレ」 島口大樹「オン・ザ・プラネット」

10月号からお届けしている「創刊75周年記念号」ラストの第3弾です。

巻頭は、先日『アンソーシャル ディスタンス』で谷崎潤一郎賞を受賞した金原ひとみさん「ハジケテマザレです。閉店後始まった4人の女たちの会話が思わぬ方向に滑り出し――。

今年、「鳥がぼくらは祈り、」で第64回群像新人文学賞を受賞しデビューした島口大樹さんの受賞後第一作「オン・ザ・プラネット」が早くも登場です。

・巻頭一挙掲載
「あなたにオススメの」 本谷有希子
「推子のデフォルト」……〈等質〉になれない子を抱えたママ友の悩みは、推子にとって最高のコンテンツだった。
「マイイベント」……巨大台風が近づきつつある川沿いのマンションで、渇幸はわくわくを抑えきれない。
・読み切り
「こんにちは赤ちゃん」 小林エリカ

【創作饗宴】今村夏子 上田岳弘 温 又柔 川上弘美 紗倉まな 笙野頼子 町屋良平

同じ工場で働くおばさんが、近所の激安スーパーにやって来るようになった。いつの間にか、うちで料理を作っている。(今村夏子「冷たい大根の煮物」)

ピエロとクラウンの違いが何かわかるかい? ピエロはね、泣いているんだ。(上田岳弘「Clowns」)

二十世紀最後の数年間のこと。四十歳どころか、二十歳を迎える日のことすら、十七歳の私にとっては、はるか遠くにある未来のように思えていた。(温 又柔「永遠年軽」)

91歳の父が転んで顔を血だらけにしたという連絡を受け実家に帰った。そこで父についてのあれこれを思い出す。(川上弘美「小面、若女、増、孫次郎、万眉など」)

タクボの家の隣に住みたい。わたしが孤独死しても、すぐに見つけてもらえるように。(紗倉まな「はこのなか」)

必要物資は家の中を探せばある。でも金がない。売れるものはあるのか? ときめきの家捜しが始まった。(笙野頼子「質屋七回ワクチン二回」)

私はAから奪った「文体」で小説を書き、生きるようになっていた。(町屋良平「私の文体」)

・短期集中連作
「ケアの倫理とエンパワメント オスカー・ワイルドの越境するケア――三島由紀夫、多和田葉子の全人類的視点」 小川公代
・連載完結
「ショットとは何か」 蓮實重彦
・読み切り
「人間―でないもの」 樫村晴香

【対談】高橋源一郎×穂村 弘 上田岳弘×滝口悠生

10月14日にジュンク堂書店池袋本店にて行われた「群像」創刊75周年オンライントークイベント、高橋源一郎さん×穂村弘さん「「ギャングたち」のゆくえ」を誌上再録。とっておきの秘話満載です。

上田岳弘さん『旅のない』滝口悠生さん『長い一日』。それぞれの新刊を中心に、同時代作家ふたりが創作論をぶつけた対談「旅のない、長い一日。」

2020年のジョン・レノン
「1962年のハンバーガー」 片岡義男
「星の歌」 高橋久美子
「アミラル」 向井康介

【第65回群像新人評論賞発表】当選作/渡辺健一郎 優秀作/小峰ひずみ

第65回群像新人評論賞は、東浩紀さん、大澤真幸さん、山城むつみさんによる選考の結果、当選作渡辺健一郎さん「演劇教育の時代」優秀作小峰ひずみさん「平成転向論 鷲田清一をめぐって」に決定しました。7月号でお知らせしました通り、群像新人評論賞は、今回をもちましていったん休止させていただきます。評論の新人賞の新しい仕組みを模索し、誌面にてご報告します。新しい二人の書き手にもご注目下さい。


【小特集】小田原のどか×中嶋 泉 山本浩貴

小田原のどかさん『近代を彫刻/超克する』単行本化を記念して、中嶋泉さんとの対談、山本浩貴さんの批評で小特集を組みました。

【論点】
「その警官、友人につき」 阿部大樹
「私たちは行列する——2020年アメリカ大統領選挙を見つめて」 シェリーめぐみ
「本当なのは一瞬だった」 ジョン・フリーマン 小澤身和子訳
「日本の「自粛警察」とファシズム——ドイツとの比較から考える」 田野大輔
「コミュニケーション的暴力としての、意味の占有」 三木那由他

創刊75周年記念号③

〈巻頭創作〉

ハジケテマザレ  金原ひとみ

〈新鋭中篇一挙〉

オン・ザ・プラネット  島口大樹

〈短篇饗宴〉

冷たい大根の煮物  今村夏子

Clowns  上田岳弘

永遠年軽  温 又柔

小面、若女、増、孫次郎、万媚など  川上弘美

はこのなか  紗倉まな

質屋七回ワクチン二回  笙野頼子

私の文体  町屋良平

〈群像75周年特別対談〉

「ギャングたち」のゆくえ  高橋源一郎×穂村 弘

〈第65回群像新人評論賞発表〉

〈当選作〉

演劇教育の時代  渡辺健一郎

〈優秀作〉

平成転向論――鷲田清一をめぐって  小峰ひずみ

受賞の言葉

選評(東 浩紀/大澤真幸/山城むつみ)

予選通過作品発表

〈エッセイ〉

おりません、知りません、わかりません  ブレイディみかこ

「読む」ことで巡り会いながら、通り過ぎたものと再び向き合うために――自らの生涯をたどり直す。
【創作】
「夜中目が覚めた時に必ず考える」 川上弘美
「桃息吐息」 いしいしんじ
【震災後の世界10先行掲載】
「国家・ゼロエフ・浄土」 古川日出男
【小特集 第三の新人】
・創作 「あかるい場所」 江國香織
・エッセイ 「山の上の家のまわり」 島田潤一郎
・批評 「日常の再発見に向けて――「第三の新人」を読むために」 山本貴光
・アンケート 「いま読みたい第三の新人作品」 石倉真帆/石田千/大前粟生/小川哲/河﨑秋子/木村紅美/郡司ベギオ幸夫/高橋弘希/高山羽根子/乗代雄介/三国美千子/水原涼
【チェルフィッチュ群像公演】
・創作 「消しゴム式」 チェルフィッチュ/岡田利規
・解説 「「消しゴム式」への道」 岡田利規
・エッセイ 「消しゴムを最後まで使い切ったことがない」 金氏徹平
・批評 「エコロジカル・クライシスにおける「共鳴の領域」の探究」 篠原雅武
【批評・ノンフィクション】
・新連載 「旋回する人類学」 松村圭一郎
・最終回 「非人間」 大澤信亮 「ケアの倫理とエンパワメント」 小川公代
・読み切り 「フェミニズム小説としての津島佑子――『笑いオオカミ』『ナラ・レポート』を読む 木村朗子
・連作 「大江健三郎と「晩年の仕事」」 工藤庸子 「2011―2021 視えない線の上で」 石戸諭
・対談 「批評のマテリアリズム」 安藤礼二×佐々木敦
【古井由吉一周忌】
「競馬場の人」 高橋源一郎
「こんな日もある 競馬徒然草」 古井由吉
「過渡期の書――『東京物語考』考」 蜂飼耳
「ひじりの庭」 築地正明
【映画公開記念対談】
「小説『身分帳』から映画『すばらしき世界』へ」 西川美和×六角精児
【コラボ連載】
「DIG 現代新書クラシックス」 荒井裕樹「アフター・コロナの優生思想」
【追悼半藤一利】
「戦後の精神」 保阪正康
「現代日本の墨家たらんとした人」 井上亮見えない道標 若松英【小特集「旅」】

〈小特集・近代を彫刻/超克する〉

〈対談〉

ジェンダー化された歴史に抗う  小田原のどか×中嶋 泉

〈批評〉

この国のかたち――小田原のどか著『近代を彫刻/超克する』が照らしだすもの  山本浩貴

〈対談〉

旅のない、長い一日。  上田岳弘×滝口悠生

〈最終回〉

歴史の屑拾い〔20〕  藤原辰史

〈コラボ連載〉

DIG 現代新書クラシックス〔12〕明治維新の世界史的意義  井上寿一

〈連載〉

太陽諸島〔3〕  多和田葉子

新「古事記」an impossible story〔4〕  村田喜代子

はぐれんぼう〔17〕  青山七恵

ゴッホの犬と耳とひまわり〔23〕  長野まゆみ

鉄の胡蝶は歳月の記憶の夢に彫るか〔40〕  保坂和志

地図とその分身たち〔3〕  東辻賢治郎

ケアする惑星〔5〕  小川公代

世界と私のA to Z〔8〕  竹田ダニエル

言葉の展望台〔8〕  三木那由他

スマートな悪 技術と暴力について〔9〕  戸谷洋志

こんな日もある 競馬徒然草〔10〕  古井由吉

旋回する人類学〔10〕  松村圭一郎

ポエトリー・ドッグス〔11〕  斉藤 倫  

マルクスる思考〔14〕  斎藤幸平

現代短歌ノート二冊目〔15〕  穂村 弘

日日是目分量〔16〕  くどうれいん

Nの廻廊〔10〕  保阪正康

薄れゆく境界線 現代アメリカ小説探訪〔18〕  諏訪部浩一  

「近過去」としての平成〔21〕  武田砂鉄

「ヤッター」の雰囲気〔21〕  星野概念

星占い的思考〔21〕  石井ゆかり

辺境図書館〔21〕  皆川博子

〈世界史〉の哲学〔138〕  大澤真幸

文芸文庫の風景〔12〕  大山 海

極私的雑誌デザイン考〔22〕  川名 潤

〈随筆〉

「歴史家」山川菊栄のオーラル・ヒストリー  伊藤春奈

タメ口考  尾久守侑

野生の、カン  佐々木まなび

本の手ざわり、コーヒーの香り  奥 由美子

〈書評〉

『スタジオジブリの想像力 地平線とは何か』三浦雅士  阿部公彦

『オーラの発表会』綿矢りさ  武田綾乃