【新連載】古川日出男「の、すべて」 田中 純「磯崎新論」 神田伯山「講談放浪記」 石戸 諭「「後」の思考」

リニューアル3年目突入号! 「文」×「論」と銘打って誌面リニューアルを行ったのが2020年の新年号。毎号試行錯誤を繰り返しながら、とにかく書き手の「熱」を伝える「場」をつくることを目指してきました。3年目もよろしくお願いします。

今号から新連載が続々スタートします。巻頭は、古川日出男さんによる恋愛小説「の、すべて」。新しい「恋」が運命の扉をたたくとき、ひとつの「時代」が動きだす。あふれる言葉で世界を創る著者の「新交響曲(ニューシンフォニー)」に耳をすませてください。

磯崎新とは何者なのか――二〇世紀鼎談でおなじみの田中純さんが世界的建築家に迫る「磯崎新(シン・イソザキ)論」がスタート。

講談界を牽引する六代目・神田伯山さんが本誌初登場!「講談放浪記」では講談ゆかりの地を訪ね、その魅力を語っていただいています。

弊誌連載が『視えない線を歩く』として単行本化されたばかりの石戸諭さんが次に見つめるのは、「起きてしまった後」のこと。新連載「「後(アフター)」の思考」で、「現実」の手がかりを見つけていきます。


【創作】井戸川射子 津村記久子 高瀬隼子

少年はおじさんに誘われてキャンプに行く。他の子どもたちはみんな父親と来ていた。野間文芸新人賞受賞第一作。(井戸川射子「キャンプ」)

定年を迎える丸岡さんに送別会の店をいくつも提案したが決まらない。でも少しずつ、丸岡さんのことが分かりはじめた。(津村記久子「二千回飲みに行ったあとに」)

二谷さん、わたしと一緒に、芦川さんにいじわるしませんか――。「ケア」をめぐる人間のすがたを描く飛躍作。(高瀬隼子「おいしいごはんが食べられますように」)


【野間文芸賞・野間文芸新人賞発表】リービ英雄 井戸川射子

第74回野間文芸賞リービ英雄さん『天路』に、第43回野間文芸新人賞井戸川射子さん『ここはとても速い川』に決定しました。受賞のことば、選評をぜひお読み下さい。


【対談】多和田葉子×野崎 歓 【鼎談】小川公代×鴻巣友季子×森山 恵

ジュンク堂書店池袋本店さんでの「群像」創刊75周年オンライントークイベント第二弾、多和田葉子さん×野崎歓さん「地球にちりばめられた私たち」を誌上再録。Hirukoたちの船の旅はどこへ向かっているのか。多和田文学初のサーガについて語り合います。

小川公代さん×鴻巣友季子さん×森山恵さんによる「ウルフとコモンリーダー」は、日本ヴァージニア・ウルフ協会全国大会で行われたシンポジウムを再構成して掲載させていただきました。ウルフをめぐる熱気あふれる鼎談を読んでいると、あらゆる「いま」につながっていることが分かってきます。


【批評】尾崎真理子 安藤礼二 【追悼】瀬戸内寂聴

大江健三郎の代表作『万延元年のフットボール』。その鮮やかな想像力の「根拠地」として、島崎藤村『夜明け前』があった。大江文学の読み解きを更新し続ける著者の画期的批評。(尾崎真理子「『万延元年のフットボール』のなかの『夜明け前』」) 

空海は華厳と、法蔵と、澄観とともに、あった。そこから空海の「空」をめぐる探求がはじまった。(安藤礼二「空海〔5〕」)

本誌で「その日まで」を連載されていた瀬戸内寂聴さんが逝去されました。ゆかりの深い、伊藤比呂美さん、平野啓一郎さん、横尾忠則さんに追悼文をいただいております。謹んでお悔やみを申し上げます。


リニューアル3年目突入号

〈新連載〉

の、すべて  古川日出男

磯崎新(シン・イソザキ)論  田中 純

講談放浪記  神田伯山

神田伯山インタビュー  聞き手・文 九龍ジョー

「後(アフター)」の思考  石戸 諭

〈創作〉

キャンプ  井戸川射子

二千回飲みに行ったあとに  津村記久子

おいしいごはんが食べられますように  高瀬隼子

〈追悼・瀬戸内寂聴〉

寂聴回向文  伊藤比呂美

瀬戸内さんがいなくなった後で  平野啓一郎

いきあたりばったりの五十年  横尾忠則

〈野間文芸賞・野間文芸新人賞〉

〈第74回野間文芸賞受賞作〉

「天路」  リービ英雄

受賞のことば/選評(奥泉 光/佐伯一麦/多和田葉子/町田 康/三浦雅士)

〈第43回野間文芸新人賞受賞作〉

「ここはとても速い川」  井戸川射子

受賞のことば/選評(小川洋子/川上弘美/高橋源一郎/長嶋 有/保坂和志)

〈群像75周年特別対談〉

地球にちりばめられた私たち  多和田葉子×野崎 歓

「読む」ことで巡り会いながら、通り過ぎたものと再び向き合うために――自らの生涯をたどり直す。
【創作】
「夜中目が覚めた時に必ず考える」 川上弘美
「桃息吐息」 いしいしんじ
【震災後の世界10先行掲載】
「国家・ゼロエフ・浄土」 古川日出男
【小特集 第三の新人】
・創作 「あかるい場所」 江國香織
・エッセイ 「山の上の家のまわり」 島田潤一郎
・批評 「日常の再発見に向けて――「第三の新人」を読むために」 山本貴光
・アンケート 「いま読みたい第三の新人作品」 石倉真帆/石田千/大前粟生/小川哲/河﨑秋子/木村紅美/郡司ベギオ幸夫/高橋弘希/高山羽根子/乗代雄介/三国美千子/水原涼
【チェルフィッチュ群像公演】
・創作 「消しゴム式」 チェルフィッチュ/岡田利規
・解説 「「消しゴム式」への道」 岡田利規
・エッセイ 「消しゴムを最後まで使い切ったことがない」 金氏徹平
・批評 「エコロジカル・クライシスにおける「共鳴の領域」の探究」 篠原雅武
【批評・ノンフィクション】
・新連載 「旋回する人類学」 松村圭一郎
・最終回 「非人間」 大澤信亮 「ケアの倫理とエンパワメント」 小川公代
・読み切り 「フェミニズム小説としての津島佑子――『笑いオオカミ』『ナラ・レポート』を読む 木村朗子
・連作 「大江健三郎と「晩年の仕事」」 工藤庸子 「2011―2021 視えない線の上で」 石戸諭
・対談 「批評のマテリアリズム」 安藤礼二×佐々木敦
【古井由吉一周忌】
「競馬場の人」 高橋源一郎
「こんな日もある 競馬徒然草」 古井由吉
「過渡期の書――『東京物語考』考」 蜂飼耳
「ひじりの庭」 築地正明
【映画公開記念対談】
「小説『身分帳』から映画『すばらしき世界』へ」 西川美和×六角精児
【コラボ連載】
「DIG 現代新書クラシックス」 荒井裕樹「アフター・コロナの優生思想」
【追悼半藤一利】
「戦後の精神」 保阪正康
「現代日本の墨家たらんとした人」 井上亮見えない道標 若松英【小特集「旅」】

〈批評〉 

『万延元年のフットボール』のなかの『夜明け前』  尾崎真理子

空海〔5〕  安藤礼二

〈鼎談〉

ウルフとコモンリーダー  小川公代×鴻巣友季子×森山 恵

〈論点〉

フェミニズムの視点で東京2020を見ること  井谷聡子

病の善用  小泉義之

〈コラボ連載・リニューアル〉

SEEDS 現代新書のタネ〔1〕運命論化する社会をどう生きるか――反出生主義・宇宙資本主義・絶滅主義  難波優輝

〈最終回〉

スマートな悪 技術と暴力について〔10〕  戸谷洋志

〈連載〉

太陽諸島〔4〕  多和田葉子

新「古事記」an impossible story〔5〕  村田喜代子

はぐれんぼう〔18〕  青山七恵

ゴッホの犬と耳とひまわり〔24〕  長野まゆみ

鉄の胡蝶は夢の記憶に歳月に彫るか〔41〕  保坂和志

地図とその分身たち〔4〕  東辻賢治郎

ケアする惑星〔6〕  小川公代

食客論〔5〕  星野 太

世界と私のA to Z〔9〕  竹田ダニエル

言葉の展望台〔9〕  三木那由他

こんな日もある 競馬徒然草〔11〕  古井由吉

旋回する人類学〔11〕  松村圭一郎

ポエトリー・ドッグス〔12〕  斉藤 倫

マルクスる思考〔15〕  斎藤幸平

現代短歌ノート二冊目〔16〕  穂村 弘

日日是目分量〔17〕  くどうれいん

Nの廻廊〔11〕  保阪正康

薄れゆく境界線 現代アメリカ小説探訪〔19〕  諏訪部浩一  

「近過去」としての平成〔22〕  武田砂鉄

「ヤッター」の雰囲気〔22〕  星野概念

星占い的思考〔22〕  石井ゆかり

辺境図書館〔22〕  皆川博子

国家と批評〔19〕  大澤 聡

文芸文庫の風景〔13〕  佐伯慎亮

極私的雑誌デザイン考〔23〕  川名 潤

〈随筆〉

本と引越し  鎌田裕樹

個性なんてもの  塩谷 舞

死なないそして老いるのだ  藤原無雨

〈書評〉

『貝に続く場所にて』石沢麻依  亀山郁夫

『暴力論』高原 到  大澤真幸

『畏れ入谷の彼女の柘榴』舞城王太郎  高島 鈴

『四月の岸辺』湯浅真尋  水上 文