【創作】金原ひとみ くどうれいん 早助よう子 藤野可織

文芸業界とは魔界だ。上品な先輩編集者の話も意味不明だし、引き継いだ作家もくせ者。もう異動願いを出すほかないのだろうか。(金原ひとみ「ヨギー・イン・ザ・ボックス」)

仕事終わりに盛岡駅で落ち合い、わたしと齋藤商事の佐原さんは北へ向かった。(くどうれいん「あきらめること」)

関東大震災後にできた大塚の独身女子アパートを舞台にした「彼女たち」の物語。(早助よう子「アパートメントに口あらば」)

私たちのママはどこにもいけない。だって私がママを閉じ込めているから。(藤野可織「愛情」)


【新連載】百瀬 文 【震災後の世界11】永井玲衣

自明な感覚をゆるがすような映像作品で注目されるアーティスト百瀬文さんによる連載エッセイ「なめらかな人」がスタート。

9、10と毎年カウントをしてきた「震災後の世界」。今年は永井玲衣さんに寄稿をお願いしました。


【小特集・松浦理英子】松浦理英子 瀧井朝世 沼田真佑 【インタビュー】吉増剛造×郷原佳以

『ヒカリ文集』刊行を記念して、瀧井朝世さんを聞き手に松浦理英子さんのインタビュー、沼田真佑さんによる書評で小特集を組んでいます。

現代新書から刊行された吉増剛造さん『詩とは何か』を中心とした、郷原佳以さんによるインタビュー「デッドレターの先に……」


【批評】安藤礼二 尾崎真理子 藤井 光 【論点】佐井大紀 【最終回】斉藤 倫

法身とは「真言」であり、「曼荼羅」である。空海はその一点に、自分自身の仏教の差異を見出す。(安藤礼二「空海〔6〕」)

大江健三郎の「想像力の組み替え」の「根拠地」としての、柳田、藤村、そして篤胤。大江文学地図を塗り替える、画期的論考完結篇。(尾崎真理子「『万延元年のフットボール』のなかの『夜明け前』〔2〕」)

 翻訳(者)は裏切り(者)なのか? 歴史の暴力が交差する地点を見つめる。(藤井 光「翻訳と「裏切り」をめぐって」)

本誌ではこれまでもテレビメディアで思考する人々の文章を取りあげてきたが、そこには必ず「現場」の言葉があった。(佐井大紀「なぜいまドキュラマを撮るのか?ーー『日の丸』と寺山修司とテレビと私」)

いぬのマスターが営むバーに来るのも、今夜かぎりかもしれない。最後にお通しで出された詩は――。(斉藤 倫「ポエトリー・ドッグス〔15〕」)


【追悼】石原慎太郎 西村賢太

石原慎太郎さん、西村賢太さんが逝去されました。富岡幸一郎さん、阿部公彦さん、町田康さんに追悼文をいただいております。謹んでお悔やみを申し上げます。


〈創作〉

ヨギー・イン・ザ・ボックス  金原ひとみ

あきらめること  くどうれいん

アパートメントに口あらば  早助よう子

愛情  藤野可織

〈新連載〉

なめらかな人  百瀬 文

〈震災後の世界11〉

はらう  永井玲衣

〈小特集・松浦理英子〉

〈インタビュー〉

脱愛情中心主義へと  松浦理英子 聞き手・瀧井朝世

〈書評〉

ユア・ミラー  沼田真佑

〈『詩とは何か』刊行記念インタビュー〉

デッドレターの先に……  吉増剛造×郷原佳以

〈批評〉

空海〔6〕  安藤礼二

『万延元年のフットボール』のなかの『夜明け前』〔2〕  尾崎真理子

翻訳と「裏切り」をめぐって  藤井 光

「読む」ことで巡り会いながら、通り過ぎたものと再び向き合うために――自らの生涯をたどり直す。
【創作】
「夜中目が覚めた時に必ず考える」 川上弘美
「桃息吐息」 いしいしんじ
【震災後の世界10先行掲載】
「国家・ゼロエフ・浄土」 古川日出男
【小特集 第三の新人】
・創作 「あかるい場所」 江國香織
・エッセイ 「山の上の家のまわり」 島田潤一郎
・批評 「日常の再発見に向けて――「第三の新人」を読むために」 山本貴光
・アンケート 「いま読みたい第三の新人作品」 石倉真帆/石田千/大前粟生/小川哲/河﨑秋子/木村紅美/郡司ベギオ幸夫/高橋弘希/高山羽根子/乗代雄介/三国美千子/水原涼
【チェルフィッチュ群像公演】
・創作 「消しゴム式」 チェルフィッチュ/岡田利規
・解説 「「消しゴム式」への道」 岡田利規
・エッセイ 「消しゴムを最後まで使い切ったことがない」 金氏徹平
・批評 「エコロジカル・クライシスにおける「共鳴の領域」の探究」 篠原雅武
【批評・ノンフィクション】
・新連載 「旋回する人類学」 松村圭一郎
・最終回 「非人間」 大澤信亮 「ケアの倫理とエンパワメント」 小川公代
・読み切り 「フェミニズム小説としての津島佑子――『笑いオオカミ』『ナラ・レポート』を読む 木村朗子
・連作 「大江健三郎と「晩年の仕事」」 工藤庸子 「2011―2021 視えない線の上で」 石戸諭
・対談 「批評のマテリアリズム」 安藤礼二×佐々木敦
【古井由吉一周忌】
「競馬場の人」 高橋源一郎
「こんな日もある 競馬徒然草」 古井由吉
「過渡期の書――『東京物語考』考」 蜂飼耳
「ひじりの庭」 築地正明
【映画公開記念対談】
「小説『身分帳』から映画『すばらしき世界』へ」 西川美和×六角精児
【コラボ連載】
「DIG 現代新書クラシックス」 荒井裕樹「アフター・コロナの優生思想」
【追悼半藤一利】
「戦後の精神」 保阪正康
「現代日本の墨家たらんとした人」 井上亮見えない道標 若松英【小特集「旅」】

〈論点〉 

なぜいまドキュラマを撮るのか?――『日の丸』と寺山修司とテレビと私  佐井大紀

〈追悼・石原慎太郎〉 

「極」なる海をめざした文学者  富岡幸一郎

〈追悼・西村賢太〉

西村さんが「やばかった瞬間」  阿部公彦

西村賢太さんの文章  町田 康

〈最終回〉

ポエトリー・ドッグス〔15〕  斉藤 倫

〈コラボ連載〉

SEEDS 現代新書のタネ〔3〕謎の魔術書がひらく「知のグローバル・ヒストリー」  ヒロ・ヒライ

〈連載〉

の、すべて〔4〕  古川日出男

太陽諸島〔7〕  多和田葉子

新「古事記」an impossible story〔8〕  村田喜代子

見えない道標〔10〕  若松英輔

はぐれんぼう〔21〕  青山七恵

鉄の胡蝶は夢に歳月は記憶に彫るか〔44〕  保坂和志

文学のエコロジー〔2〕  山本貴光

投壜通信〔2〕  伊藤潤一郎

磯崎新論〔4〕  田中 純

講談放浪記〔4〕  神田伯山

地図とその分身たち〔6〕  東辻賢治郎

ケアする惑星〔9〕  小川公代

世界と私のA to Z〔12〕  竹田ダニエル

言葉の展望台〔12〕  三木那由他

こんな日もある 競馬徒然草〔14〕  古井由吉

旋回する人類学〔14〕  松村圭一郎

現代短歌ノート二冊目〔19〕  穂村 弘

日日是目分量〔20〕  くどうれいん

薄れゆく境界線 現代アメリカ小説探訪〔22〕  諏訪部浩一  

「近過去」としての平成〔25〕  武田砂鉄

星占い的思考〔25〕  石井ゆかり

所有について〔12〕  鷲田清一

辺境図書館〔25〕  皆川博子

国家と批評〔22〕  大澤 聡

文芸文庫の風景〔16〕  佐伯慎亮

極私的雑誌デザイン考〔25〕  川名 潤

〈随筆〉

艱難の雲を抜けて  青野 暦

紙飛行機逃亡記(京都編)  菅原 敏

散歩のリズムの間にやってくるもの  ダースレイダー

知らないことを知らない  朴 沙羅

西洋ジェンダー史を講じる  弓削尚子

〈書評〉

『美学のプラクティス』星野 太  福尾 匠