第66回読売文学賞受賞!

星野智幸さん『夜は終わらない』(講談社2014年5月刊)、第66回読売文学賞(読売新聞社主催)受賞!

  

 『夜は終わらない』(講談社2014年5月刊)

 

婚約者が自殺したとの一報に取り乱すふりをする玲緒奈。彼女には次に殺さなくてはならない「別の婚約者」がいた――。セックスや結婚を餌に次々男を惑わし、財産を巻き上げ、証拠を残さず葬り去る。彼女は男をあの世に送る前に言う。
「生きてる意味があることを証明しないと。ね? 私が夢中になれるようなお話をしてよ」
物語のなかにさまざまな短篇が入りくみ、海へと流れる大河として眺望できる大傑作。


星野智幸

1965年、アメリカ・ロサンゼルス市生まれ。88年、早稲田大学卒業。新聞社勤務後、メキシコに留学。97年、『最後の吐息』で第34回文藝賞を受賞しデビュー。2000年、『目覚めよと人魚は歌う』で第13回三島由紀夫賞、03年、『ファンタジスタ』で第25回野間文芸新人賞、10年、『俺俺』で第5回大江健三郎賞を受賞。他の著作に『毒身温泉』『ロンリー・ハーツ・キラー』『アルカロイド・ラヴァーズ』『在日ヲロシア人の悲劇』『虹とクロエの物語』『われら猫の子』『植物診断室』『無問道』『水族』『未来の記憶は蘭のなかで作られる』などがある。


第152回芥川龍之介賞受賞!

小野正嗣さん「九年前の祈り」(「群像」2014年9月号)、第152回芥川龍之介賞(文芸春秋主催)受賞!

  

 『九年前の祈り』(講談社2014年12月刊)

 

三十五になるさなえは、幼い息子の希敏をつれてこの海辺の小さな集落に戻ってきた。希敏の父、カナダ人のフレデリックは希敏が一歳になる頃、美しい顔立ちだけを息子に残し、母子の前から姿を消してしまったのだ。何かのスイッチが入ると引きちぎられたミミズのようにのたうちまわり大騒ぎする息子を持て余しながら、さなえが懐かしく思い出したのは、九年前の「みっちゃん姉」の言葉だった──。
九年の時を経て重なり合う二人の女性の思い。痛みと優しさに満ちた〈母と子〉の物語。


小野正嗣

大分県蒲江町(現佐伯市)出身。東京大学教養学部卒業。同大学院総合文化研究科言語情報科学専攻博士課程単位取得退学。マリーズ・コンデを論じた博士論文でパリ第8大学Ph.D。
1996年、新潮学生小説コンクールでデビュー。2001年、「水に埋もれる墓」で第12回朝日新人文学賞受賞。2002年、『にぎやかな湾に背負われた船』で第15回三島由紀夫賞受賞。同年、第一回東京大学総長賞受賞。2003年、「水死人の帰還」で第128回芥川龍之介賞候補。2008年、「マイクロバス」で第139回芥川龍之介賞候補。2013年、「獅子渡り鼻」で第148回芥川龍之介賞候補。同年、早稲田大学坪内逍遙大賞奨励賞を受賞し、『獅子渡り鼻』で第35回野間文芸新人賞候補。
2006年に東京大学教養学部助手、2007年に明治学院大学文学部専任講師に就任(現代フランス語圏文学)。2013年准教授。2014年立教大学文学部文学科文芸・思想専修准教授。その他の著作に『森のはずれで』『線路と川と母のまじわるところ』『浦からマグノリアの庭へ』『夜よりも大きい』など多数。本作『九年前の祈り』で第152回芥川賞受賞。


第67回野間文芸賞受賞!

笙野頼子さん『未闘病記――膠原病、「混合性結合組織病」の』(講談社2014年7月刊)、第67回野間文芸賞(講談社主催)受賞!

  

 『未闘病記――膠原病、「混合性結合組織病」の』(講談社2014年7月刊)

 

「明日はわからないけれど、今日はわが世の春」

芥川賞作家のアラ還〔教授〕と15歳猫。猫は闘病中、飼い主は10万人に数人の難病と判明して!?


笙野頼子

1956年三重県生まれ。立命館大学法学部卒。81年「極楽」で群像新人文学賞を受賞しデビュー。91年『なにもしてない』で野間文芸新人賞、94年『二百回忌』で三島由紀夫賞、同年『タイムスリップ・コンビナート』で芥川龍之介賞、2001年に『幽界森娘異聞』で泉鏡花文学賞、04年『水晶内制度』でセンス・オブ・ジェンダー賞、05年『金比羅』で伊藤整文学賞をそれぞれ受賞。他の著書に『増殖商店街』『母の発達』『だいにっほん、おんたこめいわく史』『海底八幡宮』『笙野頼子三冠小説集』『猫ダンジョン荒神』など多数。2011年より立教大学大学院文学研究科(比較文明学)特任教授。『未闘病記――膠原病、「混合性結合組織病」の』で野間文芸賞を受賞。