第4回大江健三郎賞決定!

『掏摸』(河出書房新社2009年10月刊)

中村文則

 

講談社主催による第4回大江健三郎賞は、2009年1月1日から12月31日までに日本で刊行された、「文学の言葉」を用いた作品約120点の中から、選考委員・大江健三郎氏によって、上記の通り決定いたしました。

【賞】

受賞作の英語、あるいはフランス語、ドイツ語への翻訳、および海外での刊行。


中村文則

1977年、愛知県生まれ。

福島大学行政社会学部卒業。2002年、『銃』で新潮新人賞受賞。

2004年、『遮光』で野間文芸新人賞を受賞。

2005年、『土の中の子供』で芥川賞を受賞。

著書に『悪意の手記』『最後の命』『何もかも憂鬱な夜に』『世界の果て』がある。


第3回大江健三郎賞決定!

『光の曼陀羅 日本文学論』

安藤礼二

(講談社2008年11月刊)

講談社主催による第3回大江健三郎賞は、2008年1月1日から12月31日までに刊行された「文学の言葉」を用いた作品約120点の中から、選考委員・大江健三郎氏によって上記の通り決定いたしました。

【賞】

受賞作の英語、あるいはフランス語、ドイツ語への翻訳、および海外での刊行。


安藤礼二

1967年、東京生まれ。早稲田大学第一文学部卒。

多摩美術大学美術学部芸術学科准教授、同大学芸術人類学研究所所員。

2002年、「神々の論争--折口信夫論」で群像新人文学賞評論部門優秀作受賞。2006年、「神々の論争--折口信夫論」(2004年)で芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞。著書に「近代論 機器の時代のアルシーヴ」(2008年)、編著書に「初稿・死者の書」(2004年)がある。


第140回芥川賞受賞!!

「ポトスライムの舟」津村記久子

私は働く。お金のために。無駄な時間を作らないために。

―――でも何のために生きているのか

“女たちの世界”を舞台に、

働くこと、生きることの意味を問う、あらたなる代表作。

たぶん自分は先週、こみ上げるように働きたくなくなったのだろうと他人事のように思う。工場の給料日があった。弁当を食べながら、いつも通りの薄給の明細を見て、おかしくなってしまったようだ。『時間を金で売っているような気がする』というフレーズを思いついたが最後、体が動かなくなった。働く自分自身にではなく、自分を契約社員として雇っている会社にでもなく、生きていること自体に吐き気がしてくる。時間を売って得た金で、食べ物や電気やガスなどのエネルギーを細々と買い、なんとか生き長らえているという自分の生の頼りなさに。それを続けなければいけないということに。(――本文より)


津村記久子

1978年生まれ。小説家。大谷大学文学部国際文化学科卒業。 2005年、津村記久生名義で投稿した「マンイーター」(単行本化にあたり「君は永遠にそいつらより若い」に改題)で第21回太宰治賞を受賞し小説家デビュー。『ミュージック・ブレス・ユー!!』(角川書店)で第30回野間文芸新人賞受賞。著書に『カソウスキの行方』(講談社)、『婚礼、葬礼、その他』(文藝春秋)、『アレグリアとは仕事はできない』(筑摩書房)がある。