衝撃の官能心理小説! 一挙掲載420枚 青山七恵「快楽」

ごく普通の主婦・芙祐子と、逞しい身体に端正な顔立ちの夫・徳史。ささやかな喫茶店を営む二人に、ある日、店の常連で会社経営者でもある慎二が、自分たち夫婦とヴェニスに旅行しないかと声を掛けてきた。彼の美しい妻・耀子に憧れを抱いていた芙祐子は、一も二もなく話を受けるが、旅には特殊な「計画」があり……。真夏のヴェニスを舞台に二組の夫婦の欲望を描く、青山七恵20代最後の官能心理小説「快楽」、必読です。


最注目作家、待望の新連載開始 柴崎友香「パノララ」

家に空いてる部屋があるから、安く貸すよ。イチローにそう誘われた「わたし」ことタナカマキコは、あまり親しくない彼のお宅に引越しすることを急遽決断。下見も兼ねて訪ねてみたら、建物は階段だらけの奇妙なつくりで、一家の大黒柱であるお父さんはなんと全裸で洗車中。なんかこのうち、ヘンじゃない? 柴崎友香が奇妙な同居生活を描く「パノララ」、連載開始です。


中篇110枚 山下澄人

「歌え、牛に踏まれしもの」

わたしは右にずっと海を見ていて小さなトンネルを抜けて山も越えてここにたどり着いてその街の神社の前のタバコ屋のトイレの壁に書かれていた落書きはpig/dw7523*=だったんだけどこれって一体なんだろう? 昨年、『緑のさる』で野間文芸新人賞を受賞した山下澄人が送る、怒涛の中篇110枚「歌え、牛に踏まれしもの」


『獅子渡り鼻』刊行記念対談

柴田元幸×小野正嗣

「群像」2012年11月号に掲載された『獅子渡り鼻』単行本化を記念し、作家・小野正嗣が、学生時代教えを受けた柴田元幸と師弟対談。独特な比喩や子どもに寄り添う視点について、世界文学を材料に語り合います。


菅野昭正の丸谷才一論

「小説の夢を追いつづけて」

昨年10月この世を去った丸谷才一。その死を悼み、菅野昭正が丸谷文学を新たな視点から問い直します。初めての長篇小説『エホバの顔を避けて』にうかがえる、丸谷の世界を形作る断片とは? 彼の目指した「精神風俗を含めた意味でのイギリスふうの風俗小説」とはいったい何だったのか。「丸谷才一のABC」が明らかになります。


〈長篇〉

快楽  青山七恵

〈新連載小説〉

パノララ  柴崎友香

〈中篇〉

歌え、牛に踏まれしもの  山下澄人

〈対談〉

小説と<祈り>――『獅子渡り鼻』をめぐって

柴田元幸×小野正嗣

〈評論〉

小説の夢を追いつづけて――丸谷才一追悼のために  菅野昭正

〈連載小説〉

寂しい丘で狩りをする〔3〕  辻原 登

三陸の海〔5〕  津村節子

屋根屋〔7〕  村田喜代子

地上生活者 第五部 邂逅と思索〔13〕   李 恢成

晩年様式集(イン・レイト・スタイル)〔13〕  大江健三郎

燃える家〔29〕   田中慎弥

未明の闘争〔41〕   保坂和志

〈連載評論〉

皇后考〔6〕  原 武史

〈世界史〉の哲学〔48〕   大澤真幸

〈連載〉

創作の極意と掟〔3〕  筒井康隆

現代短歌ノート〔36〕   穂村 弘

「生」の日ばかり〔48〕   秋山 駿

映画時評〔51〕   蓮實重彦

〈随筆〉

この名前がイヤだよね  姫野カオルコ

世紀の食卓  小林エリカ

自分を曝け出すということ  都甲幸治

高速バスの肺呼吸  藤田貴大

〈私のベスト3〉

時空をまたぐオブセッション×3  藤井 光

「数学とは何か」にどう答えるか  森田真生

猫と昆虫と酒と……みっつの嬉しい出会い  吉田 類

〈書評〉

大きな歴史と名もなき人々(『路』吉田修一)   大竹昭子

沈黙の交換をする人々(『ウエストウイング』津村記久子)   紅野謙介

普遍宗教と世界史の転換(『哲学の起源』柄谷行人)   富岡幸一郎

「文学の外」を描くことの困難(『冷血』高村 薫)  仲俣暁生

戦争という非常にちりばめられた日常(『フランス組曲』イレーネ・ネミロフスキー、野崎 歓・平岡 敦訳)

〈創作合評〉

野崎 歓+町田 康+片山杜秀

「天秤皿のヘビ」戌井昭人(群像2013年2月号)

「想像ラジオ」いとうせいこう(文藝2013年春号)

「いいえ 私は」荻野アンナ(群像2013年2月号)