第7回大江健三郎賞 受賞作発表!

第7回大江健三郎賞が本谷有希子『嵐のピクニック』に決定しました! 2012年に刊行された「文学の言葉」を用いた作品の中から選ばれた受賞作は、英語、フランス語、ドイツ語のいずれかに翻訳されます。大江健三郎による選評「『奇妙な味』は文学たりうるか――本谷有希子の冒険」をぜひお読み下さい。


一挙掲載250枚 本谷有希子

「自分を好きになる方法」

本谷有希子、1年ぶりの新作小説「自分を好きになる方法」が登場! 冴えない女友達と必死に関係を築こうとした10代。好きな人のおかげで生まれ変われる予感がした20代。彼への違和感に耐え切れなくなった30代。いつか出会うはずの“誰か”をあきらめた40代。やりたいことリストを1つずつ片付けていく60代。幾つもの後悔を抱え、彼女は今日もまた眠る――。女性の一生を「6日間」で鮮やかに切り取る飛躍作です。


中篇 川崎 徹「ヨシダ」

片岡義男「三人ゆかり高円寺」

公園の野良猫たちの面倒を見るヘンなおじさんは、自転車に乗って現れ、猫たちの食事を用意し、その食べっぷりから体調を読み取りメモをする。「わたし」は彼から“はっちゃん”という名前を貰い、腐れ縁のカラスは“ヨシダ”と名づけられた――。川崎徹「ヨシダ」、猫とカラスとおじさんの交流を描いた中篇です。

片岡義男の連作短篇、2作目の舞台は高円寺。才気あふれるカメラマン、女優でもあるラジオ・パーソナリティ、奇妙な人々が集まる喫茶店のウェイトレス。美しい三人の「ゆかり」と、五十代の作家が織り成す不思議な物語「三人ゆかり高円寺」をご堪能下さい。


連作小説 町田 康「ホサナ」

安藤礼二「折口信夫の乞食」

正しいバーベキューは失敗に終わった。犬の真の幸せを実現したいという日本平から相談を受けた「私」は、なぜか400万という大金を要求され、話はいつしか慈悲の定義に及ぶ……。第5回を迎える町田康の連作小説「ホサナ」、必読です!

安藤礼二による折口論の第5弾「折口信夫の乞食」。折口が古代に到達するために要した「間歇遺伝(あたゐずむ)」と「懐郷心(のすたるぢい)」とは?


『45°』刊行記念

長野まゆみインタビュー

最新短篇集『45°』を刊行したばかりの長野まゆみインタビューを掲載。数字やアルファベットで構成された、各短篇の奇妙なタイトルに秘められた思いとは? 聞き手の清水良典が、新たな長野まゆみワールドに様々な視点から迫ります。


〈第7回大江健三郎賞発表〉

「奇妙な味」は文学たりうるか――本谷有希子の冒険  大江健三郎

〈創作〉

自分を好きになる方法  本谷有希子

ヨシダ  川崎 徹

〈3つの連作〔2〕〉

三人ゆかり高円寺  片岡義男

〈連作小説〉

ホサナ〔5〕  町田 康

〈連作評論〔5〕〉

折口信夫の乞食  安藤礼二

〈インタビュー〉

記号が生み出す多義性――『45°』を巡って  長野まゆみ 聞き手・清水良典

〈連載小説〉

存在しない小説〔2〕 いとうせいこう

パノララ〔3〕  柴崎友香

寂しい丘で狩りをする〔5〕  辻原 登

三陸の海〔7〕  津村節子

屋根屋〔8〕   村田喜代子

地上生活者 第五部 邂逅と思索〔15〕   李 恢成

夜は終わらない〔19〕   星野智幸

燃える家〔31〕   田中慎弥

未明の闘争〔43〕   保坂和志

〈連載評論〉

皇后考〔8〕  原 武史

〈世界史〉の哲学〔50〕   大澤真幸

〈連載〉

創作の極意と掟〔5〕  筒井康隆

現代短歌ノート〔38〕   穂村 弘

映画時評〔53〕   蓮實重彦

〈随筆〉

ジャズを救う人  中山康樹

ガンディーだったらどう言うか? ――TPPとスワデーシー  中島岳志

亀を測る  荻世いをら

心理療法の現場とAKBの効能  岩宮恵子

〈私のベスト3〉

君府で一献:お酒、詩、粗相  宮下 遼

津波痕で見た忘れられないもの  木村紅美

心に残る工作  久保田雅人

〈書評〉

生命の花の匂い(『愛の夢とか』川上未映子)   尾崎真理子

「認知」を認知するための一冊(『還れぬ家』佐伯一麦)   荻野アンナ

洪水以後の世界構造(『なめらかで熱くて甘苦しくて』川上弘美)   大澤 聡

遺された家族のつながり(『明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち』山田詠美)  松永美穂

〈創作合評〉

島田雅彦+大澤信亮+谷崎由依

「爪と目」藤野可織(新潮2013年4月号)

特集「新鋭9人短篇競作」(群像2013年4月号)