群像2010年8月号

「群像」「GRANTA」の共同企画ついに始動!!(企画説明はこちら)

世界文学の最前線を担い続ける文芸誌「GRANTA」との大型コラボレーション企画がついに始動しました!!「GRANTA」はミラン・クンデラ、ガブリエル・ガルシア=マルケス、レイモンド・カーヴァーの作品を世界に先駆けて掲載した、英語圏の文芸誌です。第一弾として、桐野夏生の書き下ろし短篇「山羊の目は空を青く映すか」とチママンダ・ンゴズィ・アディーチェの「シーリング」を世界同時掲載! 世界文学の新しい流れがここにあります!!
「GRANTA」編集長ジョン・フリーマン特別寄稿「日本の読者へ」もお読み下さい。
「GRANTA」ホームページはこちら!http://www.granta.com/

(お知らせ)桐野夏生「山羊の目は空を青く映すか」の英語版のタイトルが、「In Goats’ Eyes is the Sky Blue?」に変更になりました。本誌掲載時とは異なりますがご了承下さい。


貨幣は一種の凶器!?『悪貨』対談 中沢新一×島田雅彦

現代の日本では、トルストイの時代のロシアと同じことが起きている!? 貨幣という概念の発明は何をもたらしたのか、書き下ろし小説『悪貨』を発表した島田雅彦が、人類学者・中沢新一と語り合います!


映画界の鬼才 ペドロ・コスタに聞く創作の秘密!

一作ごとに世界中に衝撃を与え続ける映画監督ペドロ・コスタが、新作『何も変えてはならない』について語ります! 女優ジャンヌ・バリバールは、映画の中で何を探求しているのか? ドキュメンタリーとは何か? 評論家の佐々木敦がポルトガルの鬼才に迫ります!


創作は舞城王太郎、長島有里枝、楊逸!

今月は舞城王太郎「ドナドナ不要論」が登場。僕を悲しませ、哀しませるものの話を聞いてくれ! 8月には単行本『イキルキス』が発売予定です。
『背中の記憶』で三島賞候補になった長島有里枝、初の小説「スーパーヒロイン」掲載!
楊逸「ピラミッドの憂鬱」も要注目!


「変愛」を読めば変態が書ける! 岸本佐知子×本谷有希子

翻訳アンソロジーの傑作、岸本佐知子・編訳の『変愛小説集』がさらに「変」になって帰ってきた『変愛小説集Ⅱ』。お互いの作品を愛読していたという岸本佐知子本谷有希子が、世界一の「変」を追究します!「変愛」を舞台化するとしたら? 世界で一番、変態なのは日本人ではなかった!? 「変愛」を読めばあなたも変態が書けるようになるかも!


もくじ

〈特集〉

「群像」「GRANTA」共同企画

山羊の目は空を青く映すか  桐野夏生

シーリング  チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ くぼたのぞみ訳

日本の読者へ  「GRANTA」編集長 ジョン・フリーマン

〈創作〉

ドナドナ不要論  舞城王太郎

スーパーヒロイン  長島有里枝

ピラミッドの憂鬱  楊逸

〈対談〉

『悪貨』と「ゼロの問題」  中沢新一×島田雅彦
「変愛」は変態を書くお手本  岸本佐知子×本谷有希子

〈インタビュー〉

探求の孤独  ペドロ・コスタ  聞き手・佐々木 敦

〈連載小説〉

末裔 最終回  絲山秋子

昼田とハッコウ〔6〕  山崎ナオコーラ

わたしの彼氏〔8〕  青山七恵

裂〔9〕  花村萬月

未明の闘争〔10〕  保坂和志

日本文学盛衰史 戦後文学篇〔10〕  高橋源一郎

〈連載評論〉

孤独の発明〔8〕  三浦雅士

村上春樹の短編を英語で読む〔12〕  加藤典洋

〈世界史〉の哲学〔18〕  大澤真幸

東と西――横光利一の旅愁〔25〕  関川夏央

〈連載〉

会社員小説をめぐって〔2〕  伊井直行

現代短歌ノート〔5〕  穂村 弘

「生」の日ばかり〔17〕  秋山 駿

映画時評〔20〕  蓮實重彦

〈随筆〉

タッシリの岩陰で  村田喜代子

転生  シリン・ネザマフィ

紐育滞在記――ブルックリン・ルネサンス  大和田俊之

滑り台の謎  淺川継太

〈私のベスト3〉

都市~幻想であれ現実であれ  鈴木隆之

おるたな赤ちゃん  池田雄一

星座戦国時代  最果タヒ

〈書評〉

批評の成熟度(『文学のレッスン』丸谷才一)  阿部公彦

ナノダヨ族との戦い(『悪と仮面のルール』中村文則)  田中弥生

もうひとつの無気味な展望(『実験』田中慎弥)  清水良典

〈創作合評〉

富岡幸一郎+鴻巣友季子+円城 塔

「彼女のカロート」荻世いをら(すばる2010年7月号)

「冬」古川日出男(新潮2010年7月号)