長篇一挙掲載430枚

笙野頼子「さあ、文学で戦争を止めよう 猫キッチン荒神」

千葉の片隅の台所。作家と猫のささやかな生活を脅かす「人喰い」が、そこまで来ている。もはや戦前――それが見える私は「不幸」。笑われても書く、タフなカナリアとして──。

TPP来襲、右傾化する政権。「闘う作家」笙野頼子が危機の迫る日本の現状を撃つ! 「さあ、文学で戦争を止めよう 猫キッチン荒神」長篇430枚一挙掲載!


評論

川村 湊「光との戦い──フクシマから遠く離れて」

3.11から6年。希望や夢や幸福の象徴だった「光」は「あの日」からどう変わったのか? 原発事故以降の社会的状況と共振しながら一連の作品を発表し続け、昨年世を去った津島佑子を中心に、川上弘美・池澤夏樹らの著作から作家たちの戦いの意義を問う。川村湊の渾身評論「光との戦い──フクシマから遠く離れて」


連作評論第4回

安藤礼二「大拙」

鈴木大拙の生涯において決定的な影響をあたえた二人の人物──妻のビアトリス・アースキン・レーンと親友で哲学者の西田幾多郎。思想的共感で結ばれた二人との交流を描きつつ、大拙の思考の変遷を検証する。思想界の巨星・鈴木大拙の世界の全貌に迫る好評連作評論・安藤礼二「大拙」第4回。


藤野可織、李 恢成、多和田葉子

藤野可織「ピエタとトランジ」〈完全版〉は連作第5回。26歳になったピエタとトランジ。探偵業を続ける二人に対し、森ちゃんが重大な告白をする。連作第5回李 恢成「地上生活者 第六部 最後の試み」サハリンの旅から戻り、旅のレポートを雑誌に発表した愚哲のもとに、ある人物が面会を求めてくる。連載第5回の多和田葉子「地球にちりばめられて」では、行方知れずとなったテンゾが登場。彼がその生い立ちを語る。



〈長篇一挙掲載430枚〉

さあ、文学で戦争を止めよう 猫キッチン荒神       

                笙野頼子

〈評論〉

光との戦い──フクシマから遠く離れて

                川村 湊

〈連作〉

地上生活者 第六部 最後の試み〔5〕

                李 恢成

〈連作〉

ピエタとトランジ〈完全版〉〔5〕

                藤野可織

〈連作評論〉

大拙〔4〕     安藤礼二

〈連載〉

地球にちりばめられて〔5〕  多和田葉子

九十八歳になった私〔7〕  橋本 治

山海記〔9〕  佐伯一麦

鳥獣戯画〔14〕  磯﨑憲一郎

〈連載評論〉

たましいを旅するひと──河合隼雄〔3〕 若松英輔

言語の政治学〔9〕  三浦雅士

〈世界史〉の哲学〔91〕  大澤真幸

〈連載〉

現代短歌ノート〔83〕  穂村 弘

〈随筆〉

家庭料理を初期化するということ  土井善晴

復活のタンゴは新天地で鳴り響く  小松亮太

編集と教養──三木清全集未収録文について 大澤 聡

教科書を開けない君へ  篠原かをり

〈私のベスト3

希望はある、ないときでさえも  齋藤恵美子

旅先で出会った「世界の偉人」  白石あづさ

離島というタイムカプセル  柞刈湯葉

〈書評〉

システム神学をめぐるニーチェ的寓話(『再起動』岡本 学)松浦寿輝

遠近法の狂う瞬間(『不時着する流星たち』小川洋子)宮下奈都

匿名性を帯びた生活者たちの断片の記録=記憶(『ビニール傘』岸 政彦)榎本正樹

姉妹というやっかいと愛おしさ(『クラウドガール』金原ひとみ)木村朗子

〈創作合評〉

小池昌代+鴻巣友季子+武田将明

「高架線」滝口悠生(群像2017年2月号)

「成功者K」羽田圭介(文藝春季号)