創刊75周年記念号①【100枚一挙】高橋源一郎「オオカミの」

今月から3ヵ月連続で「創刊75周年記念号」と銘打ちお届けします。

第1弾の巻頭は、高橋源一郎さんの100枚読み切り創作「オオカミの」です。デビュー作『さようなら、ギャングたち』が「群像」に掲載されてから40年。「いま」とも「さき」とも読むことのできる、固有名詞のなくなった世界が描かれます。

・巻頭一挙掲載
「あなたにオススメの」 本谷有希子
「推子のデフォルト」……〈等質〉になれない子を抱えたママ友の悩みは、推子にとって最高のコンテンツだった。
「マイイベント」……巨大台風が近づきつつある川沿いのマンションで、渇幸はわくわくを抑えきれない。
・読み切り
「こんにちは赤ちゃん」 小林エリカ

小特集・多和田葉子【新連載】多和田葉子「太陽諸島」【批評】池澤夏樹 野崎 歓

『地球にちりばめられて』『星に仄めかされて』に続く、多和田葉子さんの連作長篇「太陽諸島」が連載開始。池澤夏樹さんによる『地球にちりばめられて』文庫解説と、野崎歓さんが絵本『オオカミ県』(多和田葉子・文 溝上幾久子・絵)を論じた批評で小特集を組みました。

・短期集中連作
「ケアの倫理とエンパワメント オスカー・ワイルドの越境するケア――三島由紀夫、多和田葉子の全人類的視点」 小川公代
・連載完結
「ショットとは何か」 蓮實重彦
・読み切り
「人間―でないもの」 樫村晴香

【批評/エッセイ】柄谷行人 蓮實重彦 安藤礼二 吉川浩満

交換様式から生じる観念的な「力」の正体をもとめて――「探究」の途次にある柄谷行人さんの特別エッセイ「霊と反復」

蓮實重彦さん「窮することで見えてくるもの」は、大江健三郎『水死』論。文中におかれた「窮境」という一語を通して作品を新たな地平へとひらく文芸批評です。

安藤礼二さんの連作「空海」と、本誌で連載が続く大澤真幸さんのライフワーク「〈世界史〉の哲学」の「近代篇」を吉川浩満さんが読みとく「後ろ向きの予言書」

2020年のジョン・レノン
「1962年のハンバーガー」 片岡義男
「星の歌」 高橋久美子
「アミラル」 向井康介

【創作】瀬戸内寂聴 町田 康 諏訪哲史 上田岳弘 藤野可織

【野間文芸賞・野間文芸新人賞発表】

重篤の病床にある男を見舞う女は、彼の妻よりも年上だった。男女の繋がりの深奥に迫る掌篇。(瀬戸内寂聴「その日まで」

ストーカーだろうが猪に襲われるのを見殺しにしてよいわけではない。それが人道というものだ。(町田 康「ジビエ料理 クズ人間一本勝負」

貸本屋のおじさん自らが描いた貸本漫画十七冊に胸躍らせた、短くも濃密な小学四年の夏休みが、読書ノートから甦る。(諏訪哲史「貸本屋うずら堂」

後輩が仕事を辞め、YouTuberになった。早くロボットになりましょうよ。(上田岳弘「Robots」

異性愛者で恋愛をし、結婚を望んでいるということを前提に進む会話。そのたびにきららは少し驚いた。(藤野可織「幸せな女たち」


【新連載】東辻賢治郎

「私たちがいるのはここですね」――世界と身体と紙片の奇跡的結合。地図を片手に存在を問い直す、東辻賢治郎さん冒険的新連載「地図とその分身たち」がスタート。

【論点】
「その警官、友人につき」 阿部大樹
「私たちは行列する——2020年アメリカ大統領選挙を見つめて」 シェリーめぐみ
「本当なのは一瞬だった」 ジョン・フリーマン 小澤身和子訳
「日本の「自粛警察」とファシズム——ドイツとの比較から考える」 田野大輔
「コミュニケーション的暴力としての、意味の占有」 三木那由他

創刊75周年記念号①

〈創作〉

オオカミの  高橋源一郎

〈小特集・多和田葉子〉

〈新連載〉

太陽諸島  多和田葉子

〈批評〉

互いに溶け合う言語とペルソナエ  池澤夏樹

多和田葉子と森の兄弟たち――『オオカミ県』をめぐって  野崎 歓

〈批評/エッセイ〉

霊と反復  柄谷行人

窮することで見えてくるもの――大江健三郎『水死』論――  蓮實重彦

空海〔4〕  安藤礼二

後ろ向きの予言書『〈世界史〉の哲学 近代篇』を読む  吉川浩満

〈創作〉

その日まで  瀬戸内寂聴

ジビエ料理 クズ人間一本勝負  町田 康

貸本屋うずら堂  諏訪哲史

Robots  上田岳弘

幸せな女たち  藤野可織

〈新連載〉

地図とその分身たち  東辻賢治郎

「読む」ことで巡り会いながら、通り過ぎたものと再び向き合うために――自らの生涯をたどり直す。
【創作】
「夜中目が覚めた時に必ず考える」 川上弘美
「桃息吐息」 いしいしんじ
【震災後の世界10先行掲載】
「国家・ゼロエフ・浄土」 古川日出男
【小特集 第三の新人】
・創作 「あかるい場所」 江國香織
・エッセイ 「山の上の家のまわり」 島田潤一郎
・批評 「日常の再発見に向けて――「第三の新人」を読むために」 山本貴光
・アンケート 「いま読みたい第三の新人作品」 石倉真帆/石田千/大前粟生/小川哲/河﨑秋子/木村紅美/郡司ベギオ幸夫/高橋弘希/高山羽根子/乗代雄介/三国美千子/水原涼
【チェルフィッチュ群像公演】
・創作 「消しゴム式」 チェルフィッチュ/岡田利規
・解説 「「消しゴム式」への道」 岡田利規
・エッセイ 「消しゴムを最後まで使い切ったことがない」 金氏徹平
・批評 「エコロジカル・クライシスにおける「共鳴の領域」の探究」 篠原雅武
【批評・ノンフィクション】
・新連載 「旋回する人類学」 松村圭一郎
・最終回 「非人間」 大澤信亮 「ケアの倫理とエンパワメント」 小川公代
・読み切り 「フェミニズム小説としての津島佑子――『笑いオオカミ』『ナラ・レポート』を読む 木村朗子
・連作 「大江健三郎と「晩年の仕事」」 工藤庸子 「2011―2021 視えない線の上で」 石戸諭
・対談 「批評のマテリアリズム」 安藤礼二×佐々木敦
【古井由吉一周忌】
「競馬場の人」 高橋源一郎
「こんな日もある 競馬徒然草」 古井由吉
「過渡期の書――『東京物語考』考」 蜂飼耳
「ひじりの庭」 築地正明
【映画公開記念対談】
「小説『身分帳』から映画『すばらしき世界』へ」 西川美和×六角精児
【コラボ連載】
「DIG 現代新書クラシックス」 荒井裕樹「アフター・コロナの優生思想」
【追悼半藤一利】
「戦後の精神」 保阪正康
「現代日本の墨家たらんとした人」 井上亮見えない道標 若松英【小特集「旅」】

〈論点〉

感情は私たちを振り回す?  源河 亨

コロナと鉄道  原 武史

中間地帯にいる私――小山田圭吾の件をめぐって  矢野利裕

〈シンポジウム〉

女性蔑視はどうつくられるか――ラファエル・リオジエ『男性性の探究』をめぐって  ラファエル・リオジエ×三牧聖子×清田隆之

〈鼎談シリーズ〉

徹底討議 二〇世紀の思想・文学・芸術〔9〕批評の革新  松浦寿輝×沼野充義×田中 純

〈追悼・坂上弘〉

冷水を浴びせる――坂上弘の文体  三浦雅士

〈最終回〉

水納島再訪〔3〕  橋本倫史

〈コラボ連載〉

DIG 現代新書クラシックス〔10〕ローマと同じ轍を踏むなかれ  井上文則

〈連載〉

新「古事記」an impossible story〔2〕  村田喜代子

見えない道標〔7〕  若松英輔

はぐれんぼう〔15〕  青山七恵

ゴッホの犬と耳とひまわり〔21〕  長野まゆみ

鉄の胡蝶は歳月の夢に記憶に彫るか〔38〕  保坂和志

二月のつぎに七月が〔39〕  堀江敏幸

ケアする惑星〔3〕  小川公代

世界と私のA to Z〔6〕  竹田ダニエル

言葉の展望台〔6〕  三木那由他

スマートな悪 技術と暴力について〔7〕  戸谷洋志

こんな日もある 競馬徒然草〔8〕  古井由吉

旋回する人類学〔8〕  松村圭一郎

ポエトリー・ドッグス〔9〕  斉藤 倫  

マルクスる思考〔12〕  斎藤幸平

現代短歌ノート二冊目〔13〕  穂村 弘

日日是目分量〔14〕  くどうれいん

薄れゆく境界線 現代アメリカ小説探訪〔16〕  諏訪部浩一  

歴史の屑拾い〔18〕  藤原辰史

「近過去」としての平成〔19〕  武田砂鉄

「ヤッター」の雰囲気〔19〕  星野概念

星占い的思考〔19〕  石井ゆかり

辺境図書館〔20〕  皆川博子

国家と批評〔18〕  大澤 聡

〈世界史〉の哲学〔136〕  大澤真幸

文芸文庫の風景〔10〕  大山 海

極私的雑誌デザイン考〔21〕  川名 潤

〈随筆〉

晩夏三景  加藤有佳織

違和感ポリスの失礼陰謀論  広瀬友紀

店の色  奥村千織

〈書評〉

『ブラック・チェンバー・ミュージック』阿部和重  青木耕平

『道化むさぼる揚羽の夢の』金子 薫  乗代雄介

『オーバーヒート』千葉雅也  小泉義之

『他者の靴を履く アナーキック・エンパシーのすすめ』ブレイディみかこ  三浦直之

『男の子になりたかった女の子になりたかった女の子』松田青子  はらだ有彩

『姉の島』村田喜代子  桜木紫乃

〈創作合評〉

「君の世界にぼくが生きられるなら」須賀ケイ

「少女を埋める」桜庭一樹

「石を黙らせて」李 龍徳

高山羽根子×倉本さおり×矢野利裕