群像2019年5月号

長篇一挙掲載 片岡義男「窓の外を見てください」

短編小説の物語を探している男がめぐり逢う、新たな旅立ちを模索する女たち。出会いが不思議な人間関係を紡ぎ出す。片岡義男の長篇を一挙掲載「窓の外を見てください」


新連作 笙野頼子「会いに行って――静流藤娘紀行」

これは、私淑する作家・藤枝静男についての「私小説」ならぬ「師匠説」――。藤枝静男の作品と生涯をたどり、私小説を追求する渾身の連作。笙野頼子「会いに行って――静流藤娘紀行」


特別対談 保坂和志×郡司ペギオ幸夫「芸術を憧れる哲学」

人工知能、自然知能とは異なる「天然知能」とは何か。作家と研究者がともに言う「待つこと」の意味とは。「創造すること」の際をめぐって、語り合う。保坂和志×郡司ペギオ幸夫「芸術を憧れる哲学」


特別寄稿 いとうせいこう「「国境なき医師団」を見に行く 日本編」

災害、紛争、貧困、性暴力――世界各地で困難と向きあう「国境なき医師団」の活動に同行しルポを続けてきた著者が、日本で出会った新たな発見とは? いとうせいこう「「国境なき医師団」を見に行く 日本編」


連続対談完結 富岡幸一郎×佐藤優「「危機の時代」を読み解く Ⅳ子どもを救え」

富岡幸一郎×佐藤 優による連続対談「「危機の時代」を読み解く」が完結。「急ぎつつ待つ」とはどいういうことか。


もくじ

〈長篇一挙掲載〉

窓の外を見てください  片岡義男

〈新連作〉

会いに行って――静流藤娘紀行  笙野頼子

〈特別対談〉

芸術を憧れる哲学  保坂和志×郡司ペギオ幸夫

〈特別寄稿〉

「国境なき医師団」を見に行く 日本篇  いとうせいこう

〈連続対談完結〉

「危機の時代」を読み解く Ⅳ子どもを救え  富岡幸一郎×佐藤 優

〈連載完結〉

湘南夫人〔10〕  石原慎太郎

〈連載〉

星に仄めかされて〔5〕  多和田葉子

チーム・オベリベリ〔6〕  乃南アサ

鉄の胡蝶は記憶に夢を歳月は彫るか〔10〕  保坂和志

帝国の黄昏〔10〕  花村萬月

御社のチャラ男〔13〕   絲山秋子

おおきな森〔17〕   古川日出男

ブロークン・ブリテンに聞け Listen to Broken Britain〔15〕ブレイディみかこ

全体論と有限 ーひとつの「小説」論ー〔6〕 佐々木 敦

出雲神話論〔20〕  三浦佑之

人間とは何か──フランス文学による感情教育──〔22〕   中条省平

〈世界史〉の哲学〔114〕  大澤真幸

現代短歌ノート〔108〕  穂村 弘

〈随筆〉   

午前一時の垂訓  南 直哉

ネット友達  小竹由美子

わたしの声を言葉にする  橋本倫史

正しさから愛と対話へ  上妻世海

〈書評〉

災害の記憶を辿る長いバス旅(『山海記』佐伯一麦)  川本三郎

美しい妻が秘め続けた思い(『あちらにいる鬼』井上荒野)  佐久間文子

私たちに付け足される力(『私に付け足されるもの』長嶋有)  石井千湖

文学のゲシュタルト原理(『居た場所』高山羽根子)  小川 哲

〈創作合評〉 

佐伯一麦×陣野俊史×石田 千

「ショパンゾンビ・コンテスタント」町屋良平(新潮2019年4月号)

「トリニティ、トリニティ、トリニティ」小林エリカ(すばる2019年4月号)